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読み物レビュー <二十四の瞳/壺井栄編>

本を読みたくてたまらなくて…本日3時間かけて読み切りました。
『不朽の名作』と評しても過言ではないですね…この作品。
平仮名の使い方が美しいのも印象的です。評価★5つで文句なし。過去に色々な作品を読んできましたが…個人的にはトップ5に入りますね。ソレ位のお気に入り。
ちなみに、時代背景的なモノは1928年からスタートし、戦後まもなく迄。
年初に読んだ「天北原野(三浦綾子著)」と同じような雰囲気はあるのですが、アレは前半部においてドロドロした場面が目立ちますが、こちらは登場人物が低年齢ということもあり、サラリとしてます。
さて、本作を読んで思ったのですが…
反戦に関して、日本人であれば、感情的に書きたい本音は誰にでも多々あると思うんです。
しかし、この作品は…運命のいたずらで1928年に小1だった純粋無垢な12人の小豆島の子供たちが立派に成長することを願う1人の女性教師の視点から淡々と描かれている…どこかシンミリとした、温もり溢れる作品です。
当たり前の話ですが、島部は都市部と違い、生活レベルは低いですし…
しかも、時代背景が不況と重なっていたせいか、この作品の中では家族諸共打撃を受けるシーンが目立ちます。その結果、小学生が大人の真似事のようなことをしており、『そんなのは当たり前だ』という感じで早い自立を求められています。でも、ソレを暗い側面一辺倒ではなく、小豆島出身の作者独特のキメ細かい視点が生徒たち1人1人に優しい眼差しを注いでいるんですよね…この作品。ソレが女性教師の視点と重なっているような感じがして、非常に良かったです。
なんていうか、自分なんかでは真似することのできない空気感です。
島の現実にしたって、どうしてもピンと来ないし…『良い意味でも悪い意味でも、自分自身はやっぱり本土の人間』という気がしてしまいましたね。
ちなみに、平和な時代から戦争へ突入して行く…
抗えない時代の現実は、この作品においてもやはり不変で、どこまでも残酷です。でも、重さは最小限です。むしろ、今の平和な時代に生きる自分なんかは、ソレが心の底から涙を流す一因となった気がします。あと、他の戦争モノとは視点が違うため、この作品は単純な涙モノでは終わっておりません。作者が12人に対して突き付けた結果、ソコからも自分は色々なことを考えさせてもらいました。
最後に、今現在の心境を書きましょうか。
「1人で小豆島へ行って、この『二十四の瞳』という作品を頭に思い浮かべながら、ノンビリとした時間を過ごしたい」…まさにそんな気分です。
〆
<Postscript>
余談ですが、今の時代においては…
「教師と教え子との関係を再考させてくれる心温まる一面も包含した作品」という評価もできる気がします。教師の方に読んで頂きたいです。
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