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読み物レビュー <貫井徳郎編>
「さよならの代わりに」 貫井徳郎著 [Amazon Link]
評価:「★★★★★」
貫井氏…実は、出身高校の大先輩ですw
“だから読んだ”という訳ではなく…実は、ネット上に貫井先輩の作品を高く評価していた方がいたので、1度は読んでみようと思いましてね。そういう訳で、『貫井氏の中でも毛並みが少し違う作品を読むのも如何なものか…?』と思いながらも読んでしまいました。。。
さて、本作に関して…
mixiを含め、レビュアーの評価が両極端なモノが目立っておりますが、、、
作品自体はサラッと読め、非常に爽やかというのが第一印象だと思います。ただ、タイムスリップ系の作品に関しては、どうしても『発想があの作品と似ているなぁ…』と感じてしまうのも事実で、個人的にはタイムスリップ系列ですと…以前ココでも取り上げた、重松清氏の“流星ワゴン”のような流れ…あれが1番好きです。
然しながら、この作品に関しては…
『そもそも、ミステリー要素やタイムスリップといった点に目が行ってはいけない作品ではないのか?』という気もして、色々と迷いながらも結果…★5つとしました。結局、『タイムスリップするのは主人公である和希ではなく、祐里だったから…』というのが1番の理由です。
まぁ、こんなことを書いても分からないと思うので…
文量は増えますが、話の流れを少しだけ書いておきましょう。
主人公の和希は、“うさぎの眼”という劇団に所属する駆け出しの劇団員。
ある日、彼は稽古帰りに祐里という自らよりも若い美少女に偶然出会います。
この祐里は、和希が想像する以上にうさぎの眼に詳しく…
徐々に和希に近付いて行き、さらには劇団内部に近付きたいと願います。そして、公演の楽日前…劇団の看板女優である江藤の控え室の近くで見張り、“誰も出入りしないようにしてもらいたい!”と和希に対して依頼します。ただ、依頼理由に関しては、『詳しいことは言えない…』。また、和希に関しても出番の時間は実行不可。和希は理由を説明し、その見張りの代役を立てたものの、なんとその人間がトイレで用を足している間に江藤は殺害されてしまいます…。
そんな状況になっているとは知らず…
自らの出番がない間は江藤がいる楽屋の出入りをすることが通例であった劇団の主催者である新條は、出入りしていたところを劇団員に偶然目撃されてしまいます。新條自身は、『俺は殺してはいない。信じる信じないはみんなの勝手だが…』と劇団員に対して訴えたものの…結局は、殺害時に使われた凶器に対して指紋が残っていたことが決め手となり、新條は逮捕されてしまいます。
“うさぎの眼”の存続を危うくさせるような事件の真相を追うべく…
その後、和希は祐里などと真犯人を探すストーリーへと突き進んで行く訳なのですが、、、
多くの読者が…『犯人はコイツだ!』と簡単に思い付くことでしょう。そんな面はどうでも良いのです。本作は完全に青春モノですから。
で、この祐里の素性が重要なファクターとなって行く訳なのですが…
実は、彼女…未来から来た劇団主催者・新條の孫であったのです。つまり、彼女は結果を全て知っていて、純粋にお爺ちゃんが殺人事件の容疑をかけられたという事実を捻じ曲げたかったのです。だからこそ、江藤が殺害されることが予告ができた訳です。しかし、哀しいことに…彼女は、自らの思い通りにタイムスリップを制御できず、事件を防ぐことをできなかった…。
セツナイ。いやぁ、セツナイ。。。
…でも、待って下さい。
本作の主人公は祐里ではありません。確かに、主人公が祐里ならば、過去へタイムスリップしたにも関わらず、過去の結果を未来へ反映できずに終わってしまう本作のようなものは切ないだけだと思います。好き嫌いが分かれるのも頷けます…が、このタイムスリップができる祐里に巡り会えたことで、和希は自らを変える良いキッカケとなって行くのが本作なのです。
そういう意味では“救いがない作品”とは言い切れないと思いますし…
むしろ人は和希のような機会に恵まれたいと思いながら、誰もが生きていると自分はそう思ってます。それを主人公ではなく、あくまで祐里を使って表現することに徹したという意味で、このようなタイトルになったのだと思いますし、自分自身も↑のような評価を下すことにしたのです。
評価、甘いかなぁ…う~ん。
ソコはず~っと悩んでます。
最後になりましたが、本作に対する色々な評価を読んで思ったことでも…。
とりあえず、構成がこうだとか土台をガチガチと…とか、そういった点が気になる方に対しては…本作は全くオススメしません。ご参考迄。
〆
<Postscript>
余談ですが、“この10年の時代の進歩を感じたタイムスリップ作品である”とも思いました。
もう、この類のネタは出尽くしたのでは…!?(;^^)
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