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読み物レビュー <夏目漱石編>
「坊っちやん」 夏目漱石著 [Amazon Link]
評価:「★★★★★」
『日本の名作とも言えるスタンダード作品をココで取り上げても仕方ないだろう?』と思う気持ちもあるのですが、実は随分と前から習っている習い事のカリキュラムが今年から少し変わりましてね…。夏目漱石のように、“文豪”と称される作家の作品にも触れることになったのです。ちなみに、最初が夏目漱石となったのは…先生が松山で育ったという理由が何よりも大きかったと思います…(;^^)
ところで、この坊っちゃんに関してですが、、、
元・大の読書嫌いの自分は読んだことがありません。実は初めて…みたいな。
『えっ?』と思う方もいるのかもしれませんが、この世代になると、そんな人間も少なくないと思います。戦前の作品ですからね。『日本語が読み辛いという先入観しかなくて、気が付くと自然と敬遠するようになっておりました』。
ただ、そんな作品群も…
今読むと、また違った印象を抱くのかもしれませんが、夏目漱石の場合…高校時代に読まされた「こころ(※あらすじなどはこちら)」という作品が、自分の中では時代が違い過ぎてピントが合わなかったというか、その流れを助長させるものでしかなかった作品というのが当時の強烈過ぎる正直な印象でした。
そんなこともあり、あれから随分と大人となった今でも…
複雑な思いは少しあって、本音としては非常に気が重かった…。
でも、この『坊っちゃん』に関しては、その気だるいムードを裏切ってくれました。
自分の先入観はガラガラガラ~っと音をたてるように崩れ去りました。ソレ位、スンナリと受け入れることができました。なんていうか、落語など…和の文化とも言えるものをその場で観賞しているかのような、そんな錯覚を与えてくれる素晴らしい作品…みたいな。なにより、如何にも…『一気に書き上げました』的な文章の展開にはテンポがあるし、一人称を主人公&語り手で使い分ける独特のバランス感覚、コレが素晴らしかったです。文章なのに、言葉の世界で終止しておりませんでした。
何故だろう…。どうすれば、こんなことを可能にするのだろう…。
TVがなかった時代の作家は、現代人には失われてしまったような感性が豊かだったのでしょうか。
ちなみに、登場人物のキャラクターに関しても、とにかく分かりやすかったと思います。
主人公の少し捻くれ気味&短気でありながら、どこか芯だけは通っていたような気がするし、読者に好感を何故か与えてしまう、その…真っ直ぐ過ぎる一面は、『江戸っ子をイメージさせるには最適な手段だった』と思います。また、少し気難しいこの彼のことをココ迄大らかに育てた養母みたいな存在であった清との関係…コレも綺麗に仕立てましたね。その他の…うりなりくんや山嵐、赤シャツ、野だなどの色分けもハッキリとしておりましたし、個人的には…絵というか、漫画調で起こしてみたくなるほどでした。
江戸言葉と、“~なもし”で終止する松山言葉が入り混じった文体…
こんなものも良かったと思います。なんか、こうポツポツ書いてると、色々と浮かんできます。
とりあえず、夏目漱石の力量を確実に感じることができる作品であることだけは確かです。
でも、暫くは離れよう…(;^^)
〆
<Postscript>
次回の課題は谷崎潤一郎です。
元・大の読書嫌いですから、彼の作品などもやはり殆ど触れずに育って来たのですが…
ちなみに、「細雪(※あらすじなどはこちら)」や「痴人の愛(※あらすじなどはこちら)」ではありません。
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