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言葉の力を再認識したくなる-徳永英明編-
カバーアルバムやベストアルバムは多々発表されておりましたが…
オリジナルアルバムとなると、「My Life」以来4年7ヶ月振りとなる、德永英明(※"?"となってしまうため、タイトルだけは漢字を変更しました)の「WE ALL」を今回は取り上げたいと思います。個人的には、“大好きなアーティストの1人”ということもあり、書きたい気持ちを抑えられなくなりました…(;^^)
ちなみに、今作はオリジナルアルバムとしては…
「Revolution」以来、約17年7ヶ月ぶりにオリコンの週間アルバムチャートで首位を獲得することになったのですが、男性ソロアーティストとしては、矢沢永吉と長渕剛に続く…3人目の3年代連続でのオリジナルアルバム首位獲得者(※1980年代:「BIRDS」、1990年代:「JUSTICE」&「Revolution」の2作)となる、まさに“記念すべき作品”となりました。尚、1980年代にデビューした男性ソロアーティストとなると、初めてだとか。。。
<WE ALL> 評価:「★★★★★」
オリジナルアルバムとしては15作目。
4年半以上の空白があったためか、珍しく?13曲(※初回盤のBは、2007年にKinki Kidsに対して提供した「永遠」を加えた14曲)も収録されていたりします。ちなみに、先行発表曲は、「#1:ことば」、「#2:花束」、「#3:砂時計」、「#4:小さな祈り~P.S.アイラヴユー」、「#7:翼はなくても」、「#9:やさしいね」の以上6曲です。
出だしから4曲連続で先行発表曲。これは極めて珍しいケースだと思うのですが、、、
そんなことよりも、まず…曲のタイトルのシンプルさに目が行きました。アルバムタイトル曲やサブタイトルを除くと、英記号が一切使われておりません。どこか文学的というか、計算されているような気がしましたが、チョット深読みし過ぎでしょうか…(;^^)
でも、そんな深読みをしたくなるくらい…
今作において、自分は「言葉」が気になりました。言葉が。。。
詞の中で、何度も出てきたり、それを浮かばせる情景があったり…その印象が強く残ります。それを明確にしたかったのでしょうか。1曲目は先行発表曲でもありましたが、「#1:ことば」です。妙に興味をそそる平仮名のタイトル、前奏、詞、歌声、曲調…どれもが德永氏らしいし、穏やかな雰囲気に溢れていて、非常に素晴らしい出来だと思います。彼の曲を20年以上聴き続けてきた1人としては、この曲でオープニングを飾ってくれたことがとにかく嬉しかったです。“德永英明といえば、バラード”というイメージが浸透しているかと思いますが、この曲を通して、過去を肯定している感じがしましたし、久し振りにオリジナルアルバムの出来に対する自信も窺えましたから。自分だけなのかもしれませんが、ここ何作かはどこか迷いが感じられて…100%の力が発揮されていない感じでもどかしかったんですよ。正直な話。
個人的には、德永英明というアーティストは…
『熱唱系よりも詞を語りかけるような感じのメロディを志向している作品の方が好き』なんですよ。今作で申しますと、例えば…3拍子の「#7:翼はなくても」やCMでもよく耳にした「#11:大事にするよ」といったバラード共に、名曲として推したいですね。「壊れかけのRadio」や「もう一度あの日のように」、「FRIENDS」といった曲は…確かに、彼の代表曲に値するものだと思うのですが、そんな作品がどこか過渡期的な作品に映ってしまうくらいの魅力、絶対にあると思うから。
ただ、そう思えるか思えないかの分かれ目は…やはりアレンジでしょう。
今作は全般的に抑揚感のあるアレンジが際立っていたと思うのですが、こちらは…当初の予想を大幅に上回る好評を博した「Vocalist」シリーズに引き続き、平原綾香嬢の「Jupiter」の編曲やプロデュースなどに携わったことでも知られる坂本昌之氏によるもの。時に歌謡曲のノリが隠されていたり、時に德永英明というアーティストが見せる強さが垣間見えるなど、コントラストに関しても申し分なしです。瀬尾一三氏の中島みゆき調?も良いとは思うのですが…時として、彼独特の柔のメロディが打ち消されてしまうケースも時としてあるので、このコンビ…今後も継続を望みたいところです。。。
個人的な印象でしかありませんが、德永英明メロディの特徴というのは…
『音符や休符を細かく配し、切々と訴えかけるところにある』と思うのです。この良さを美しさを余すことなく出す最良の方法は、やはり1歩引くことだと思うのです。彼のカバー曲は美しかったかもしれませんが、彼のオリジナル曲の方が好きな自分にとっては、比較論で申すと…メロディから彼らしさが排斥されているような感じで、聴けば聴くほど物足りない気持ちがどうしても残ってしまったから。そんな印象は、今作には全くありません。愚直な迄に貫かれてます。
あと、「#10:透徹の空」や「#11:大事にするよ」なんかにも言えますが…
大きく捉えて、A-B-Aで構成された曲に関しても、ここのところ好調だなという印象を受けます。今迄以上に美しさを感じます。A-B-Aは盛り上がったところで、もう1度戻してしまうので、作る側としては怖さもある曲展開だと思うのですが、今の德永英明には年齢的にもそれがとても合っているような気がします。
あまりにタイアップが多いので、各曲の細かい解説は割愛しましたが、、、
その他に個人的に好きなのは、Bメロの出だしがイルカの「なごり雪」のBメロの出だしと一緒で、少しだけドキッとしてしまう…「#5:輝きの詩」や歌謡曲調の良さが光る「#6:ガラスの星座」、キャッチーなサビが印象的な「#8:風と空と海と」…といったところですかね。良い意味で、前に突っ込み過ぎていないときは、そよ風のようというか、川の流れのようというか…そんな感じで時が流れているような錯覚を覚えます。10年前に発表された、好作品が多数収録されている「honesto」に収録されている各曲を聴いたときのような清々しさを個人的には十分堪能させてもらいました。
…それくらい名曲が揃ってます! 翳ませてはいけないと思ってしまう作品です。
個人的なオススメレベルは、「honesto」と双璧と言っても良いくらい。『アルバムの総合評価としては、迷うことなく★5つを付けられる作品』です。
〆
<Postscript>
ただ、1つ残念な点を申すとするならば、タイトル曲のメロディの中途半端さで…
これだけは若干浮いているなという印象は否めませんでした。ポップ調の「#12:愛をえらぼう」をラストにするのも悪くないような気がします。
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