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恵まれた島 

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Written  By  New-Can   [ 2011年8月10日 22:20 ]     

Category  03-A. 国内旅行記@北海道  *  05-A. 自作小説/エッセイ系      BBS


朝1番のフェリーに乗船し、およそ1時間。
汽笛の音に起こされ、翔真は客室の外へ出た。そして、船尾から進行方向を確認すると、北海道旅行中に訪れたいと思っていた島が目の前にあった。


北海道の日本海側には、5つの有人島が存在する。
その中で最も面積が小さな島こそ、翔真が訪れようとしている焼尻島である。


かつてはニシン漁で栄え…
現在もカズノコの国内最大の加工地として知られる留萌から北へ50Km。
羽幌という港町がある。そこから、さらに西へ25Kmの距離に、この島は位置する。


交通の便がいいとは言い難いものの…
夏場になると、ウニ漁が最盛期を迎えることもあり、羽幌からフェリーに加えて高速船も就航する。短い間ではあるが、島は賑わう。


ところが、秋から冬にかけては、フェリーも1往復。
海がしけることも多く、欠航することが多い。そんな厳しい環境もあってか、島民の高齢化は進んでいる。人口は300人を切り、島の中央部にある広大な丘の上で放牧されている食用羊の方が数では上回っている。


焼尻港へフェリーが到着すると、翔真を含め、10数名の客が下船した。
朝1番の船便ということもあってか、人の数は少ない。それでも港には、「島内の観光案内は任せて下さい!」というプラカードを掲げている人がいた。翔真が尋ねてみると、1時間ほどで1周できる島の案内を1,000円でやってくれるとのこと。折角なのでお願いすると、その姿を後ろから見ていた他の観光客も続いた。


結果、4名のグループで焼尻島を巡ることとなったのだが…
ガイドが最初に連れて行ってくれた場所は、なんと島内唯一のゲートボール場だった。ここは島民の憩いの場で、非常に重要なところらしい。


その後も、車が最も標高が高いところを通ると…
「今、車が通っている道は焼尻のハイウェイです」。札幌から嫁を貰った家の前を通過する直前は、「宝くじを当てるよりも難しいことをやってのけた家です。皆さんあやかって下さい」とこんな調子が続く。ここまで細かいと、さすがに車内は笑いがたえない。観光案内というよりも島内紹介という方が正しいだろう。


さらに、車は島内唯一のスナックや小・中学校などへも立ち寄った後…
「皆様に、伝えておきたいことがあるので、最後に小回りで1周します」と口にしてから、ガイドは急に真面目な話を始めた。


「このまま何も策を講じなければ…
 人口が300人にも満たない焼尻島が無人島になってしまうのは時間の問題でしょう」


どんな話を始めるのかと思いきや、島が直面している難問をズバリ口にしたのである。


「僕の個人的な意見ですが、焼尻島が無人島になるようなことがあったら、犯罪者を更生する場として、活用してほしいです。ご覧の通り、丘には羊がたくさんいて、無人島にもなってしまえば、海でウニは取り放題。日本全国探しても、焼尻島のように自然と動物に恵まれた島はそうありません」


日本も含め、先進国では流刑が絶対的不定期刑に当たるため、現在禁止されている。
ガイドの更生場としての活用案は、おそらく刑務作業の合間の気分転換という意味合いもあるのだろう。


「犯罪者も同じ人間です。焼尻島に来れば、忘れていた何かを思い出すことでしょう」


この話を聞いて、翔真は思った。
「故郷を誇りに思い、生きて行けることが人間にとって、1番幸せなことなのではないか」と…。

<Postscript>

”や“”をテーマに書くということで…
「海をサラリと混ぜる感じで書こう!」と最初は思っていたのですが、話がイマヒトツ膨らまなかったので、2003年に北海道を1人旅した際の話を取り上げる形で書いてみることにしました。

都会で生まれ育ちった自分としては…
離島のライフスタイルに、とても興味があります。色々なものが揃う便利な時代でありながら、その流れにごく自然な形で抗い…自分たちは、海を隔てたところでシンプルな生活を追求しながら毎日を過ごしているのです。焼尻に限らず、離島はどこも島民の高齢化などの問題を抱えているのでしょうが、「言葉で表現するには難しい素敵な魅力がイッパイ詰まっているのだろう…」と思ってます。

そんなチョットした好奇心や色々な何故を知るために…
自分は、中学生のときに家族で隠岐へ、その後も沖縄やバミューダ伊豆大島…最近では、琵琶湖に浮かぶ沖島など、色々な島へ足を運びましたが、このときの焼尻、そして隣の天売の印象が特に記憶に残ってます。

両島共、小さな島なのですが、冬の日本海側の厳しさによって育まれた景色は…
旅人の想像力をかき立てるには十分でした。両島合わせて、たった1泊2日の滞在でしたが、個人的にはもっと長い時間を過ごしてみたい場所でした。

叶うものならば、もう1度両島へ行く機会を作りたいし…
そのときは、「妻も是非連れて行きたい!」とそう思っている場所の1つです。


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