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冬の来訪客
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冬の来訪客 

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Written  By  New-Can   [ 2012年2月19日 23:55 ]     

Category  03-A. 国内旅行記@北海道  *  05-A. 自作小説/エッセイ系      BBS


隼斗は釧路から1両きりの鈍行列車に揺られながら、道東を北へ向かっていた。
窓の向こうは、見渡す限り雪原だ。夏であれば緑豊かな湿原や湖などが広がるはずの場所も、2月の今はすっかり姿を変えている。


車窓をじっと眺めていたら、列車は突然長い汽笛を鳴らし、減速し始めた。
隼斗は席を立ち、運転席のある最前方へ移った。エゾシカたちが線路を横断していた。「北海道ではこんな光景を当たり前なのか」と思うと、それに魅せられて移住してしまう人たちがいるのも納得できる。


運転士はエゾシカたちが線路を無事横断したことを確認すると…
再び速度を上げ、列車を先へ先へと進めた。隼斗も北海道の大自然をもっと近くで感じたくなり、最前方の車窓を眺め続けた。ところが、どこまで行っても降り積もった雪の上にうっすらと見える線路以外、特に目につくものはない。快調に飛ばす列車に、ただ圧倒されるばかりだった。


それから、列車はどのくらい雪原を疾走したのだろうか。
列車の左前方で、タンチョウが仲良さそうに寄り添っている姿を隼人は確認した。次に止まる駅のことを手元のスマホで調べてみると、今はホームが1つしかない無人駅だが、かつては駅員が常駐していた時代もあったらしい。何十年も前から、この駅の冬の来訪客といえばタンチョウだったそうだ。駅員も数少ない来訪客のために、仕事の合間は餌づけすることを日課としていたらしい。無人駅となり、餌づけする人たちが駅周辺の住民たちへと変わった今でも、恵まれた環境を求めて、タンチョウたちは毎年欠かさずやって来ているそうだ。


この駅の様子が気になった隼斗は、途中下車してみることにした。
駅の周囲では4、5人のカメラマンが三脚を立てていたが、平日のせいだろうか。隼人の後に続く乗客は誰もいなかった。隼斗を降ろした列車はすぐにドアを閉めると、何事もなかったかのように再び走り始めた。遠ざかって行く列車をホームから1人見送っていると、置き去りにされたような気分になってきた、そのときだった。


「おーい、そこのお兄ちゃん!」


隼斗は後ろを振り向くと、50代前後のオジさんが手招きをしている。
雪に覆われた道を小走りしながら、隼斗はそこへ向かった。


「後ろ姿が寂しそうだったから、呼んでみたんだけど…1人旅か?」


「ハイ、東京から釧路空港経由で来ました」


「俺も昨日東京から1人で来たんだ。カミさんは寒い場所が苦手でなぁ…」


オジさんは、さらに話を続けた。


「今日は流氷の撮影でも良かったんだけど、1人だし…
 雪原をバックにタンチョウでも撮ろうかなと思ってな、ここへ来たんだ」


「僕もタンチョウを見たくて途中下車したんです」


「そうか。ほら、右を向いてみな。
 線路の向こう側で3羽のタンチョウの親子が仲良く歩いているだろう。
 おっと、こりゃシャッターチャンスだぞ…」


オジさんが気になるヒトコトを発したので…
隼斗もリュックの中からデジカメを慌てて取り出し、撮影してみた。画像をチェックしてみると、欲がなかったせいか、思ったよりも上手く撮れている。


「お兄ちゃん、出来はどうだ?」


「絶好のポジションでバッチリですよ!」


オジさんは、隼斗が撮った画像を見て首を2、3度縦に振ると…
再びタンチョウの撮影を慌しげに始めていた。その様子を隣で見ながら、隼斗は「こんな旅も悪くないな」と感じていた。

<Postscript>

冬なので、“”をテーマに書くと自分が決めてしまったのですが…
今回は、「雪という言葉を直球モードで捉え過ぎた」ような気がします。その結果、雪景色を自分なりの表現で書いてみることになったのですが…まだまだですね。できる限り、平易な表現で淡々と描くつもりでいたものの…淡々としたペースを維持しようと思うと、思った以上に文量が必要なことに気がつきました。そこで、この悩みを解決するために、フィクションのシーンをバランス良く織り交ぜて、上手いこと突破を試みたのですが、逆にこの作品自体…「タンチョウよりオジさんが目立っている」との指摘も受けてしまいました。トホホ…(;--)

尚、この作品で取り上げた駅は釧網本線にある茅沼という無人駅です。
2008年の2月に来訪し、当ブログでも取り上げさせて頂きましたが、徒歩圏内の場所にはシラルトロ湖もありますし、1人旅の方にはオススメできる駅だと思います。

あと、冬の釧網本線…個人的には、「最高の鉄道旅行が味わえる路線の1つだ」と思います。
釧路側から利用する場合、川湯温泉~緑間の野上峠越えとなる区間は本数が少なくて大変かもしれませんが、ここを越えて斜里の先迄行けば、オホーツク海の流氷も見ることができます。冬季は仕事が忙しい身ではありますが、また機会があれば、是非とも来訪したいです…ハイ。。。


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