Notice: Undefined variable: objtype in /home/sites/heteml/users/n/e/w/new-can/web/blog/mt-dynamic.php on line 180

Notice: Undefined variable: objtype in /home/sites/heteml/users/n/e/w/new-can/web/blog/mt-dynamic.php on line 183
未来島
Memory-01 Memory-02 Memory-03 Memory-04 Memory-05

From the author's New-Can

  • 当サイトは、IE11&Edge&Chrome58&Firefox53&OPERA31&Safari5…以上の環境で動作をなんとなく確認済です。全てのブラウザに対して、素人が完璧に対処することは至難の業です…。
  • スマートフォンでも、Android4.2/5.0&iOS10の環境で“必要最低限の動作は確認済”です。PCと同様のレイアウトで概ね閲覧可能ですが、解像度により一部非表示となるケースがあります。
  • 記事内で掲載されている一部画像は、ダブルクリックするとポップアップ画面経由で拡大されます。
  • 足跡を残す際は、画面左側にある“おきてがみ”機能も利用して下さい。
  • 白い頁が全面に出力されてしまった場合などは当方へ報告して下さい。メールフォームは、“検索&アーカイブメニュー頁の中央”に用意してあります。

未来島 

user-pic

Written  By  New-Can   [ 2013年1月19日 20:04 ]     

Category  05-A. 自作小説/エッセイ系      BBS


4人の釣り人たちが釣り座で何やら話し込んでいる。
「面識がないはずなのに、どうしたのかな?」と船長の章吉は首を傾げた。

釣り人同士のライントラブルかと思ったが、どうもそうではなさそうだ。
4人とも、前方を指差し、話が盛り上がっている。すると、そのうちの1人が章吉のいる操舵室へやってきた。

「何かありましたか?」
「あ、あの……み、右前方の島の方向を見てもらえませんか?」

章吉は、言われた方へ目をやった。

「今日は快晴で、波も穏やか。
 島もハッキリ見えますし、特に変わった様子があるようには思えませんが…」
「あの島、無人島ですよね?」
「そうですね」
「私たちの目の錯覚かもしれませんが、、、
 人が手を交差して、この船に助けを求めているように見えるのです」

ここで船を出すようになってから、章吉は数十年経つ。
嵐のときならともかく、ずっと好天が続いている。あり得ない話だ。捜索願が出されていたとしても、港を発つ前に、何らかの連絡がある。

しかし、万一、この海で遭難した人がいるとしたら、話は別だ。
何よりも優先して、助けに行くのが船乗りの使命である。

「今から、大至急であの島へ向かいます。
 皆さん、申し訳ありませんが、一旦釣りを中止して、島の様子を確認してもらえませんか。
 もし、誰かいたら、私にも分かるように、手を振ってもらえませんか」

船員は章吉1人の小さな船なので、人命救助を行うには、乗客とも協力しなければならない。

「船長、片づけを終えました」と釣り客の代表が言った。

章吉は、ウンと頷き、船のスピードを上げた。
最初はジャガイモ程度の大きさだった島が次第に大きくなってきた。程なく、船の釣り客たちが手を横に振り始めた。双眼鏡を当てると、島に取り残された2人の姿が章吉の目に飛び込んできた。

「今、そちらへ向かっています。船が接岸できそうな安全な場所で待っていて下さい」

拡声器を通して、章吉はそう叫んだ。

それから、5分ほど経った後、章吉たちは島へ到着した。
今迄、特に用もなかったので、来たことはなかったが、幸いにも非常時用の簡易船着き場が用意されていた。章吉はそこに船を接岸させた。

無人島にいたのは、章吉も全く面識のない若い男女2人組のカップルだった。
2人は、お辞儀をしながら、よく分からない言葉を喋っている。

とりあえず、章吉は2人を船に乗せた。
すると、男は持っていたタブレットを見ながら、章吉に向かって話し掛けてきた。

「ドウモアリガトウゴザイマス。ワタシタチ、ニヒャクネンゴノミライカラ、キマシタ」

予想外の反応に、章吉は言葉を失った。

「コノシマハ、デンパガワルク、タイムマシーンヲ、ヨビダスコトガデキマセン。
 デンパガヨイトコロヘ、ツレテイッテ、モラエマセンカ?」

200年後の人間は、携帯電話を使うように、タイムマシーンを使うようだ。
章吉は釣り人たちの了解を得てから、2人に「1番近い港へ向かいます」と告げた。

「シマデ、タスケガクルトシンジテ、サンジカン、マチマシタ」

「それは大変でしたね…。
 では、港に着く前でも構わないので、タイムマシーンが使える状況になったら、頭の上に丸印を作って合図をして下さい。
 船を停めて、お2人が帰れるようにしますから……」

それから、10分ほど経った後、船首の方からカプセルのようなものがやってきた。
約束通り、2人組が合図を送ってきたので、章吉は船のスピードを緩めた。

「ミナサンノオカゲデ、ニヒャクネンゴニ、モドルコトガデキマス。
 ドウモアリガトウゴザイマス。サイゴニ、ヒトツダケオネガイガアリマス」
「なんでしょうか?」
「ニヒャクネンゴカラ、ミナサンニ、オレイガシタイデス!」

できる訳がないだろうと思いつつも、章吉たちは住所を教え、7人で記念写真も撮った。
それが終わると、何事もなかったかのように、2人はタイムマシーンで船から立ち去った。


それから数日後、章吉は自宅でインターネットをチェックしていた。
すると、大手サイトでは、「200年後の人たちと逢える釣り船」という見出しが踊っていた。

記事を読んでみると、章吉の釣り船の話だった。
どうやら、利用客の1人がツイッターに体験談を投稿し、それをキッカケに、瞬く間に話題となったようだ。

章吉が住んでいる村の観光協会へも釣り船の予約やマスコミからの取材が殺到していた。
村の職員たちは、「念願だった観光資源ができた!」と諸手を挙げて喜んでいるようだった。あの島のことを、「未来島として、すぐにでも売り出したい」という話が出ていることも聞いた。

例の2人組からのお礼は、章吉には、まだ届かない。しかし、章吉はこう思うようにした。
「あの2人は、小さな漁村の将来を思って、来てくれたのではないか」と。

<Postscript>

ウチに息子が生まれたということで、今回の習い事のテーマは…
命名”となりました。ただ、このテーマを素直に受け取り、「人の名前を命名するというのでは、チョット面白くないなぁ…」と思い、“無人島に名前を付ける”というストーリーで軽く書き始めたのですが…そもそもそこへ行く理由とか、技術的な問題とか、余計なことに頭が行ってしまいましてね。

そこで、「誰か遭難させてやれ!」と思いました。
でも、「遭難させた以上は、助けてやらないと…」という気持ちになり、さらに何故でしょうか。「SFの要素も盛り込みたい…」という気持ちも湧いてしまい、その結果、こうなりました…(;^^)

ちなみに、この妙なSFを書いて気がついたことがあります。
「タブレットやTwitterといったあたりは、当然使っているものとして計算しなくてはいけないんだ…」と。
あと、Twitterに関しては、「形にしないで良いところまで形にしてしまったよなぁ…」と。その昔、自分が読んだSFものって、「経験したことでも、パッと消えてしまうものだった」と記憶しているのですが、今の時代、それだと現実感に乏し過ぎるというか、一昔前のSFとしか思えなかったんですよね。個人的には、少し寂しい気持ちになったというか、「時代が変わったなぁ…」と思わずにはいられませんでした。


- Entry Site -

にほんブログ村  BlogPeople  ブログ王

AlphaPolis  人気blogランキング  info-blogrank(article)  ブログ掲示板神奈川県

Thank you so much to read My Blog. I hope it's a fine day for you. See ya!

 

From the Same Category...

§この記事のメインカテゴリは、「05-A. 自作小説/エッセイ系」です。


From the Same Date in a Different Year...

§記載者が過去を振り返りたくなったときのために掲載しております…m(__)m


Related Posts with Thumbnails