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From the author's New-Can

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映画「永遠の0」/素敵な作品だと思いました(含:ネタバレ) 

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Written  By  New-Can   [ 2014年1月12日 08:31 ]     

Category  04-D. シネマレビュー      BBS


先週、隣駅の新百合ヶ丘のイオンシネマで、久々に映画を観てきました。
今では、“小説家”としての方が有名なのかもしれませんが、「探偵! ナイトスクープ」の影響で“放送作家”というイメージが依然として強いと思われる?百田尚樹の処女作を原作としている「永遠の0」の映画版なんですけどね。

小説が原作となっている映画を観ることは、極めて珍しいです。
というのも、「頭の中で活字を自分なりに映像化した世界こそ、1番美しいのでは?」と、どこか思っているところがあり、「本を読めばイイや…」という感じで、どうも処理してしまいがちで…。本作のように、ベストセラーであれば、尚更です。

ところが、この作品…実は、たまたま読んでおりませんでした。
小説のレビューを参照した限り、ややガッカリ…という印象もあった作品だったこともあったでしょう。

ただ、自分自身、この1年くらいの間、心の中で色々な思いを抱えており…
さらに、自らの存在意義も否定された影響で、1人のときに涙が枯れるほど泣きまくりました。その反動もあって、不必要な強さが身につくなど、自らの感性がどこか狂っているような気がしてて。「何かの力を利用して、涙を流す感覚を元に戻せればイイな…」とずっと思っておりました。

ですから、原作を全く知らず、先入観のようなものもない作品は都合が良く…
さらに、自分自身、「映像に関しては、原作とは切り分けて考えるべき」という考えであるため、「この作品は敢えて読まずに、映画館へ行ってしまえ!」と、一足飛びで映像から入る選択をすることができたような気がします…(;^^)


さて、映画の方ですが、慶子&健太郎の姉弟にとって…
祖母にあたる松乃が亡くなるシーンからスタートします。祖父である賢一郎が1人泣き崩れている間、2人は母の清子から、「実の祖父は、終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵であった」という話を聞かされます。フリーライターの姉と司法浪人が長く続き、人生の目標を見失っていた弟…僅かな情報をもとに、興味本位から特攻隊員だった実の祖父である宮部久蔵を調べ始めます。ところが…。

【1. 海軍航空隊一の臆病者だった?】

戦闘機搭乗員として一緒だった長谷川という男は、宮部のことを…

  • 海軍航空隊一の臆病者
  • 何よりも命を惜しむ男
  • 帝国軍人の恥さらし

と評し、嫌悪感を露にします。その一方で…

  • 俺は国に命を預けていた
  • アイツは俺が腕をなくした日でも、無傷で帰ってきた

長谷川は腕を失ったことで、望んだ人生を過ごすことができなかった影響もあったのでしょうが…
自らの方が果敢に戦っているし、優れていた」とでも言いたげ…。

この話を聞いた後、健太郎は調査を続ける気力を失ってしまうのですが、、、
母である清子から「健太郎と同じ26歳で亡くなった、父・久蔵がどんな青年だったのか知りたい!」と改めて頼まれ、2人は更に手がかりとなる海軍従軍者たちを訪ね歩くことになります…。

【2. 生き延びたのは、宮部小隊長の言葉があったからこそ…】

2人が訪問した際、既に末期がんに冒されていた井崎という男は、宮部のことを…
着艦を簡単に成功させる凄腕のパイロット」と評しながらも、「私は死にたくありません」とか、「私1人が死んでも戦局は大きく変わりません。しかし、妻と娘(※生まれたばかり)の人生は大きく変わってしまいます」と口にすることに対して、長谷川同様、嫌悪感を覚えたとのこと…。

当時は、「お国のために命を捧げるのが当然」という価値観の日本ですからね。

ところが、皆が戦闘の成果を喜んでいる中、小隊長の宮部は1人…
「敵の空母がいませんでした。未帰還機が29機も出ました。空母を叩かなければまた誰かが死にます。私の目の前で、一瞬で3人の命が奪われました」と冷静に戦況を分析するのですが、当時、このような分析が行える雰囲気になかったのは、皆様ご存知の通り…。

結果、海軍は戦況を見誤り、戦局の悪化へと繋がるのですが…
ソロモン諸島の戦い”において、宮部の部下は機体の燃料が足りなくなったため、自爆を選ぼうとします。ところが、宮部はそれを認めず、この部下に対して、“海上に着水する”という命令を下します。しかし、この部下は助けを待っている間に、フカ(サメ)に食べられてしまった可能性が高いとのこと。この件で、井崎と宮部の間で…

  • 井崎:なぜあのまま潔く自爆させてやらなかったのですか? フカ(サメ)に食べられるより、敵地で華々しく自爆した方がずっと幸せだったはずです!
  • 宮部:死ぬのはいつでもできる。生きるために努力をするべきだ! 井崎、お前に家族はいないのか? 家族はお前が死んでも悲しんでくれないのか?
  • 井崎:いいえ
  • 宮部:それなら死ぬな! どんなに苦しくても、生き延びる努力をしろ!

といった感じの言い合いになります。
ところが、この井崎も後にマリアナ沖で撃墜されるのですが、結局、井崎は上記の言葉を励みに、陸まで7時間以上かけて泳ぎ、生き残った…とのこと。。。

宮部の孫にあたる2人が訪れたとき、井崎は余命3ヶ月であったにも関わらず…
宮部と妻である松乃と交わした約束のエピソードも語るなど、「余命3ヶ月と告げられながら、半年以上たった今でも生き延びたのは、この物語を宮部のお孫さんたちに伝えるためだったのか…」と確信した一方、健太郎自身も、自らの意志で実の祖父の調査を続けるキッカケとなります。

【3. あの人こそ、生き延びるべき人だった】

大企業の会長である武田という男は、学徒出陣がなされていたとき…
宮部の小隊に配属されておりました。ところが、宮部は出撃のための“可”を出そうとしませんでした。部下たちは、「永久に戦場には出れないんじゃ?」、「俺たちが上手くなるのが気に入らないのでは?」などと不満を募らせます。

そんな最中、ある部下が機体の故障が原因で亡くなります。
このとき中尉は、「アイツはたるんでいた。貴重な戦闘機をつぶすとは何事か!」と怒りを露にするのですが、宮部は反発します。すると、中尉は宮部を殴りかかり、「お前はずっと“不可”を出し続けているらしいな。コイツらを戦地へ行かせたくないのか?」と宮部に対して、本音で迫ります。

中尉に殴られ、顔が脹れながらも宮部は信念を変えず…
部下の前に戻ります。武田をはじめとする部下たちは、宮部のことをどのように思ったか申す迄もありません…。それが武田が口にした、見出しの言葉です。。。

【4. 死ぬことが怖くなった…】

元・ヤクザの景浦という男も、長谷川同様…
無傷で戻って来る奴の存在が憎かった」と、宮部のことを評します。

それが気に食わなかった景浦は、あろうことか、戦闘中に味方の宮部を銃撃します。
しかし、宮部は巧みにかわし、宮部は景浦の機の背後へ回るものの…景浦を撃つことはしませんでした。そのときから、景浦は死ぬことが怖くなり、不服ながらも宮部の実力を認めます。

その後、2人は離れ…景浦は、鹿屋で教官となっていた宮部と再会します。
ところが、その頃の宮部は、景浦が知っている宮部の姿ではなく、容貌も含め、考え方も変わっておりました。宮部は直掩機を操る一方で、教え子たちは特攻隊…このため、教え子が誰1人として敵機にたどり着くことができず、毎日のように犠牲となる場面を目の当たりにしておりました。つまり、このときの宮部は、「自らが生きていることに対して、罪悪感に捉われていた」のです。

一方で、その頃の景浦に関しては、以前の宮部と同様…
こんな自爆作戦で死ぬのは無駄死にだ」という考えに至っておりましたが、景浦に対して影響を与えた宮部が、そして妻である松乃に対して、「必ず帰ってきます」と約束をしていながら、それを反故にするかの如く、最終的には特攻隊を志願…。景浦は、このとき直掩機を操る立場から全力を尽くすものの、宮部は命を落とします。

【5. なぜ宮部は特攻隊を志願したのか?】

小説ではどのように描かれているか分かりませんが…
映画版では明らかにされておりません…というか、敢えて明らかにしなかったのでしょう。宮部は“基地の教官”という設定であったため、赤紙で徴兵された者とは異なり、自ら志願して死に向かった特攻隊であったということしか明らかにされておりません。

誰よりも真摯に、生きることを望み、選んできた宮部が、何故そんな選択をしたのか…
僕の推測でしかありませんが、「教え子の犠牲の上に生きることが耐えられなかったから」という1点以外、あり得ないと思ってます。

話は脱線してしまいますが、実は僕の身近なところに…
特攻隊の経験をした方が1人おりました。幼少期から12~3年…ですかね。日曜日になると、教会(※プロテスタント)へ通っていたのですが、そこに知覧飛行場の特攻隊の…生き残りというか、その日が来るのを待っている間に終戦を迎えた…という方がおりました。

この方が教会に来ていた頃は、奥さんとは既に死別しており…
子どもに関しても、恵まれていなかったのですが、“相撲の先生”だったこともあり、僕たちのことを実の子であるかの如く、イッパイ遊んでくれました。当時の僕は、正直な話、教会で牧師さんのお話を聞くことよりも、その方と遊んでもらうために教会へ通っていたような気がします(※今となれば、両方の側面で影響を受けてますけど)。

そんな訳で、小学生程度で分かる範囲の話は何度も聞いたことがあるのですが…
僕たちが高学年になった頃でしょうか。「戦争があと2~3日長引いたら、僕はここにいなかった」とか、「仲間の気持ちを思うと、僕は生き残りたくなかった」といった“罪悪感”を必ず口にしておりましたからね。。。

【6. 2人の祖父である賢一郎とは?】

慶子&健太郎は、景浦が大切に保管していた資料から…
祖父である賢一郎が予想外の経験をしていたことを知ります。なんと、宮部と同じタイミングで特攻隊に出て、ただ1人、生き残っていたのです…。

実は、宮部が乗るはずだった飛行機は整備不良状態にあることを…
宮部自身、見抜いてしまったのです。“凄腕のパイロット”と認められている存在です。宮部であれば、それに乗れば、生き残ることは確実にできたでしょう。ところが、「これを部下に乗せれば、助かる可能性が高い」と宮部は教官視点で考えたのでしょう。その機体に自らの遺書(※もし君が生き残っていたら、私の妻と子どもが苦しんでいたら、助けてやってほしい)を残すと共に、賢一郎が乗るはずだった旧型の機体と、「乗り馴れた機で闘いたい」という理由で、直前に交換します。そのときのことを、賢一郎は、以下のように振り返ります。

  • ワシが生き残ったのは、死んだ者の死を無駄にしないためだ。物語を続けることだ。
    あれ以来、夫婦の間で宮部さんの話が出たことは1度もないが、忘れたことは1度もない。
  • あの時代、1人1人の物語があった。
    今は何事もなかったかのように生きている。それが戦争で生き残ったということ。
  • 私たち戦争を知る者は、あと10年もすればみんないなくなる。
    この話を、お前たちに伝えられて良かった。

この言葉こそ、制作側が本作を通じて、伝えたかったことの1つではないでしょうか。
賢一郎を演じていたのが、昨年亡くなった夏八木勲であったこともあり、これらの言葉が“遺言”のように聞こえたのは、自分だけではないと思いますが、如何でしょうか…。

【7. 所感】

日本の歴史において、最も究極の状況といえた戦争、且つ特攻という場面設定であったため…
文庫でも500頁超の大作となったと思われる原作ですが、映画では150分弱にギュッと纏められました。とはいえ、宮部久蔵の物語に焦点を当てており、“予備知識”のようなものは一切必要ありません。個人的には、「とても分かり易いストーリーだったのではないか?」というのが素直な感想です。

日本は戦争モノを絡めてしまうと、十人十色の歴史観でもって、色々な感想が噴出します。
今や、「不満を持つ方がいるのは仕方がない」と割り切らないと、作品化することもできないのではないかと僕は感じてます(※こういった状況に問題があると僕は思うんですけど)。

ネット上においても、重要な史実が抜けているとか…色々な感想、読みました。
でも、僕ならば、「貴方が観に行った目的は、果たしてそれだったのですか?」と逆に質問を返したくなります。ドライな人間かもしれませんが、「芸術作品なんて、興行的な側面も考えなければ成り立たないもの」なのですから。

そんな訳で、作品の屋台骨を支える各役者の演技や映像も勿論チェックしているものの…
作品の心臓ともいえる、内に秘められたメッセージは何か?」ということを考えながら映画を観てしまいがちなのですが、僕は本作に関して、「戦争の細かい史実(※反戦も含む)よりも、“人として重要なことは、どんな状況にあっても、他人のことを思いやる気持ちである”と強く訴えたかった作品なのではないか?」と感じてます。

ちなみに、本作のラストカットは宮部が特攻している場面で…
宮部は“笑顔”を見せます。この場面が原作とは異なるということで、「反戦を訴える内容だったのに、最後に好戦的な映画になってしまっている」という観点で批判をする方もいるようです。僕も、「もしかして、ジャニタレであってもドカンと突っ込ませるのかな…」と、最後はハラハラドキドキしながら観てましたが、突然フッと終わりを告げます。。。

ある意味、ホッとしました。
タイミングという意味でも、締め方という意味でも…絶妙で好きでした。僕は敢えて肯定します。

理由としては、前述の通り、特攻隊として招集された方から…
僕は何度も直接話を聞いた…そんな人間であるからかもしれませんが、この作品に関して、「ラストカットは宮部視点であるべきだ」という考えなのです。その考えに基づいてしまうと、表情にも救いがあるべきというか、「この作品を好戦的な映画と捉える方がむしろ屈折している」ようにしか僕は感じ得ず、“最後の宮部の笑顔”は、「この世には賢一郎を残せたはず…」という手応え、そして自身に関しては、「先に旅立ってしまった仲間と再会できるはず…」という希望があったからではないかと…。これ以外に他意はないと思うのです。

僕自身、未経験の状況ですが、人間…そんなものだと思うのです。
というか、そう考えないと…。1人の人間という観点から、本作を全般的に肯定的に捉えがちであることは否定しませんけど。。。

【8. 本作で涙を流せるか?】

僕は何度となく、涙をこぼしました。
例えば、宮部が松乃と別れる場面…確か、以下のようなことを申していたと記憶してます。

帰ってきます。必ず帰ってきます。
 たとえ死んでも帰ってきます。生まれ変わってでも帰ってきます

このような約束を交わし、戦後暫くして、松乃の前にやって来たのは賢一郎。
この件に関して、さらに再婚してしまったことに対して、納得がいかない方もいるかもしれませんが、どんな場面でも状況を冷静に分析し、最悪の状況だけは避ける…そんな自身の信念を貫き通した久蔵に対して、僕は感動さえ覚えました。

己の損得勘定よりも、まず人間でありたかった」と思われる宮部久蔵…。
しかも、その思いは一方通行ではなく、双方向となることを望んだ…その信念。僕は、三浦綾子の「塩狩峠」を読んだ後のような心境になりました。

<Postscript>

本作を通じて、僕自身も宮部久蔵のように…
死ぬときは、1人でも多くの方に対して、イイ記憶として残るような、存在価値のある人間であれたらなぁ…」と思いました。

尚、評価という意味では、“★★★★☆くらい”という感じですが…
一見の価値がある作品であったことは確か”です。尤も、「この場面、蛇足では?」とか、「この設定、意味あった?」といった粗があったことは否定しませんが、それ以上に戦闘の描写におけるCGのクオリティーの高さや宮部久蔵役の岡田准一をはじめとする役者陣の演技の方が個人的には印象に残ってます。とても良い余韻を残す作品でした。

ただ、1つだけ僕が変えられる権利があれば、エンディング曲である…
サザンオールスターズの“蛍”を変えます。曲調や声という意味で、「自分の頭の中にあるイメージと一致しない」というか、「映画とセットで聴かせる曲ではなかったのではないかな?」と。曲単体という意味では、“好作品”であるとは思うんですけどね(※自分なら、インストにします)。


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