From the author's New-Can
- 当サイトは、IE11&Edge&Chrome72&Firefox65&OPERA48&Safari5.1…以上の環境で動作をなんとなく確認済です。全てのブラウザに対して、素人が完璧に対処することは至難の業です…。
- スマートフォンでも、Android4.2/6.0&iOS11の環境で“必要最低限の動作は確認済”です。PCと同様のレイアウトで概ね閲覧可能ですが、解像度により一部非表示となるケースがあります。
- 記事内で掲載されている一部画像は、ダブルクリックするとポップアップ画面経由で拡大されます。
- 足跡を残す際は、画面左側にある“おきてがみ”機能も利用して下さい。
- 白い頁が全面に出力されてしまった場合などは当方へ報告して下さい。メールフォームは、“検索&アーカイブメニュー頁の中央”に用意してあります。
晴れときどき雨

【マクラ】
楽しみにしていた“日帰りハイキングイベント”の前日…
「明日の天気は晴れときどき雨。降水確率は30%です」という微妙な予報が出ました。
悪い予報を聞くと、覆したくなるのが人の常。
寝る前に、てるてる坊主をサッと作って、ぶらさげ、「明日は晴れますように」と願わずにいられません。雨の日に山へ登っても、道はグチャグチャ。折角苦労して、登った末に辿り着いた頂上でも周囲の山が雲に覆われていてガッカリ。そうならぬよう、てるてるてる坊主に、すがりたくなるのではないでしょうか。
父と息子がハイキングを控えて、語り合っています。
父:
明日は晴れときどき雨なのか…。
子:
降水確率は?
父:
30%だってさ
子:
なんだ、70%の確率で晴れるじゃん?
父:
算数のテスト、いつも50点しかとってこないのに…
こんなときだけ引き算で前向きに考えるのかよ?
子:
だって、これは小学1年生でもできるような計算でしょう?
父:
引き算の答えより、30%の確率で雨が降るという予報が出ているんだ。
「お父さん、てるてる坊主を作ろうよ!」と言うのがカワイイ小学6年生ってもんじゃないのか?
子:
そんなことないでしょう。
友達はそうかもしれないけど、僕はそう考えるんだ。
父:
とにかく、サッサとてるてる坊主を作れ、てるてる坊主を!
子:
お父さん、天気予報の降水確率を80%に引き上げてない?
父:
お父さんは、万が一のことを考えるタイプなんだ。
子:
だったら、スーパーでカッパを早く買ってきた方がイイんじゃない?
さっき、探したけど、家になさそうだよ!
父:
カッパはなくても、折り畳み傘が家にあるだろう?
子:
両手が使えないと、転んだとき泥まみれになって大変でしょう?
そういえば、カッパもなかったけど、軍手もなかったよ!
父:
そんな大切なことを分かっていたんだったら、もっと早く言ってくれよ!
子:
というかさ、それで万が一のことを考えてるって言える?
母:
大丈夫よ。
お母さんがさっき買い物をしたついでにカッパも軍手も買ってきておいたわ。
子:
さすが、お母さん。気がきくね!
母:
お昼のニュースで天気予報を観てたしね。
父:
お母さん、ありがとうな。
じゃぁ、残りの雨対策は、てるてる坊主だけだな。
子:
まだてるてる坊主に拘るの?
しょうがないなぁ。じゃぁ、作るけどさ…。
父:
ようやく分かったか。そこにティッシュ箱とマジックあるから…
笑顔が素敵なカワイイてるてる坊主を作ってくれよ。
子:
笑顔にすると、何か変わるの?
父:
涙目のてるてる坊主なんて変だろ?
子:
そりゃ、そうだけど…
笑顔にしたからって、晴れるとは限らないよ。 まぁ、いいけどさ…。
【息子、てるてる坊主を渋々作りだす…】
子:
…お父さん、できたよ!
父:
おぉ、カワイイの作るじゃん?
子:
僕、図画工作の成績5だもん!
父:
そうか。でも、てるてる坊主を作るのに…
高度な技術はいらないけどな。
子:
取り敢えず、玄関のドアの前にかけておくけどイイよね?
父:
いいぞ。
じゃぁ、明日は朝も早いし、サッサと寝るぞ!
【翌日、ハイキングコースの入口から…】
父:
雲1つないな。
子:
そうだね。
父:
昨晩のてるてる坊主が大きかったな
子:
てるてる坊主なんて、ティッシュを使って作っただけだし、そうとは思わないけど…。
父:
お父さんがてるてる坊主を作ろうと言ったから、まだ雲1つないんだよ!
子:
そうかなぁ…。
父:
ティッシュ箱に入れたままじゃ、こうはならないんだって!
子:
僕が作った、てるてる坊主の顔が良かったんだよ。
父:
どっちでもいいや。さて、登るぞ!
子:
うん。
【登り始めた父子】
子:
お父さん、遅いよ!
父:
そんなことくらい分かってる。ハァハァ…。
子:
まだ晴れているけど、このペースじゃ天気が変わってしまうかもよ?
父:
少しはお父さんのことも労わってくれよ…。
子:
大変そうだから、待っているんだよ。1時間歩いたし、水筒のお茶でも飲んで休憩したらどう?
父:
馬鹿にするなよ! 今はこんなだけど、高校時代…
お父さんは夏になれば、富士山に登るような山岳部に入っていたんだぞ!
子:
山岳部だったわりには遅いね。
父:
あれから25年は経っているんだから…。
子:
スポーツやってた人って、普段からもう少し身体を鍛えるんじゃないの?
父:
お父さんは仕事が忙しくて、帰りも遅いんだから、仕方ないだろう。
そのうち追いつくから、先に行ってイイぞ。
子:
分かったよ、じゃぁドンドン前に進むよ!
【息子、まもなく頂上】
子:
お父さん、頂上まであと200メートルだって!
父:
おぉ、あと200メートルか。ハァハァ…。
子:
あと200メートルだし、走って登ってもイイかな?
父:
イイ訳ないだろう?
なんで最後の急坂で走って登ろうとするんだよ!
子:
サッサと登らないと、突然雨が降るかもしれないでしょう?
父:
ここまで来たら、雨とか天気の問題じゃない。
自分との戦いだ。ケガすることなく、ジックリと進む方が大切なんだ!
子:
あんなに天気に拘っていたのに、それはないでしょう?
父:
登山口からもう2時間、歩き続けているんだぞ。
登り始める前と同じ状態な訳がないだろう?
子:
まぁ、いいや。
取り敢えず、ここまで来たから、僕は走って登るからね。
着いたら、「お父さん」って大声で叫ぶね。
父:
分かったから、先に頂上を目指してイイぞ。
ただ、坂も急なんだから、転んで怪我だけはするなよ。
子:
大丈夫だよ!
父:
気をつけろよ。
最後の最後に、落とし穴があるってもんなんだよ。
子:
みんなが歩くハイキングコースに穴あけて…
イタズラをする人なんていないよ!
父:
屁理屈を言うな。
落とし穴はたとえ話だ。
子:
あり得ないたとえ話なんてしなくてイイよ。
お父さんこそ、最後の最後で転んで怪我をしないでよ。
元・山岳部なんでしょう?
父:
どんだけ父親を小ばかにしたら気が済むんだ…。
【息子、頂上に到着】
子:
お父さん、着いたー!
父:
なんでそんなに早いんだよ。ハァハァ…。
子:
100メートル走、学年でトップだって、知ってるよね?
父:
…そういえば、運動会でも1着だったな。
子:
水筒のお茶でも飲みながら待ってるね。
父:
…分かったよ。
子:
あっ、富士山だ!
今日は綺麗に見える。早く頂上に来てよ。凄いよ!
父:
早く来てよったって、足が動かないんだよ。
お父さんも最後の登りってとこだ…。
子:
最後の登り?
確か段差が大きかった場所があるから、注意して登ってね。
父:
お父さんは、最初から注意して登ってる。
【父も頂上に到着】
子:
お父さん、頑張ったね。
父:
上から目線で言うな!
子:
10分くらい待ったよ!
父:
待たせたてゴメンな。ハァハァ…。
子:
まず、水筒のお茶を飲んで水分補給した方がイイと思うよ!
父:
そんなことより、お父さんは早く富士山が見たいんだよ。どこだ?
子:
あそこだよ!
父:
おぉ、本当だ。今日は富士山が綺麗だなぁ…。
子:
そうでしょう?
父:
やっぱり、昨日てるてる坊主を作った効果があったな!
子:
まだ言ってるの?
というか、お父さん、僕の髪形とか忘れてない?
父:
5分刈りのスポーツ刈りだったな。
何が言いたいんだ?
子:
苗字は照井だし、これだけ髪の毛が短ければ…
僕はまさしく、てるてる坊主みたいなもんでしょう?
父:
サッカーで真っ黒に日焼けしているオマエと…
真っ白のてるてる坊主を一緒にできる訳がないだろう?
子:
僕はてるてる坊主の晴れ男。
だから、こんなにイイ天気なんだよ!
〆
<Postscript>
先月の習い事に合わせて書いたものですが…
テーマは、“創作落語”でした。個人的には、落語を聞くために寄席へ行ったことがないので、知識も全くありません。「これでは書けない…」と思い、色々読んだもの、やっぱり難しく…今回は、ウチのヤンチャ息子とのやり取りを思い浮かべながら、書いたものです。でも、“ミニコント”ですよね。これじゃ…(汗)
- Entry Site -
Thank you so much to read My Blog. I hope it's a fine day for you. See ya!
From the Same Category...
From the Same Date in a Different Year...
§記載者が過去を振り返りたくなったときのために掲載しております…m(__)m
- [ 2011年8月21日 00:09 ] 郷土を象徴する人物の存在感は絶大だ…(甲府編)
- [ 2004年8月21日 23:30 ] スポーツ観戦の夏
- [ 2003年8月21日 23:30 ] 川相のバント