第12回のテ〜マ:オリンピック(2000.10.1.)

 20世紀最後のオリンピックである…シドニ〜五輪が、あっという間に終わりました。今回は、個人参加の東ティモ〜ルを含め、200の国、及び地域から約1万6100人の選手、役員が参加し、史上最多の28競技300種目が行われました。そして、開会式では…今回のテ〜マである、“世界平和”というモノに相応しい、“南北朝鮮の合同行進”が遂に初めて実現致しました。

 ただ、俺は…中身には満足はしていません。なぜか? 例えば、『薬物等による違反選手が出ない大会になって欲しい』と思っているのですが、今回もまた出てしまったからです。有名な所では、女子体操のル〜マニアのラドゥカンですかね。彼女の場合は、風邪薬が原因だと言われていますが、陽性反応…。これにより、個人の方の金メダルは剥奪と相成りました。真実は、自分みたいな身分のヤツでは知る由もありませんが…。

 ここまで薬物検査が厳しくなったにも関わらず、まだ悪知恵を使って、上手く乗り越えてやろうとしている選手がいましたね。何人か。いい加減、“心のオリンピック”というテ〜マで、“平和”もテ〜マとしては必要ですけど…1つの勝負に対して、誰もが純粋な感動が得られるような…そんなベクトルを示すオリンピックになってくれないかなと自分は考えます。というのも、全世界の人に…“あんなヒ〜ロ〜になりたいなぁ…”と思わせる機会を作らせたり、また…お国を賭けて戦って、1位を獲れば…“不特定多数の人を勇気付けられる”のが、オリンピックというモノですから…。

 そんな俺なんですけど、勝負(金メダル)に感動したオリンピックといえば…基本的にどれもなんですけど、心の底から特に感動し、涙したシ〜ンを挙げると…3つでしょうか。まず、1992年のバルセロナ大会。誰か? 柔道71Kg級において、金メダルを獲得した、“背負い投げ”が得意技で有名であった古賀稔彦。吉田秀彦(同大会・柔道78Kg級の金メダリスト)との本番直前の練習において、柔道においては致命的な足を骨折し、本来なら…『試合に出るコトはもちろんのコト、立つのがやっとである身体であったにも関わらず、結果を出した』というコトに、涙もろい俺は、涙せずにはとてもいられませんでした。『戦う人間は、体ではなく…心で、勝負するモノ。これが“道という字が付くスポ〜ツの原点”』だと思いました。本当に、彼の金メダルは美しかった…。

 次は、その6年後の長野オリンピック…古賀のモノに並ぶ、美しい金メダルと言っても過言ではナイモノが、このとき2つ現れました。1つは、スピ〜ドスケ〜トの清水宏保。500mにおいて金メダルをもらった後、自分の母親に金メダルをかけるシ〜ンがTVで流れたとき…これには、俺も…彼と同じ“片親状況”ってヤツを、“約6年(当時)経験してる”というコトが重なり、やはり…涙しました。そして、『俺も、あんな格好良いコトをいつかしたいなぁ…』って思ったのは言うまでもありません…(;^^)。1回もできてナイ気がしますもん。俺は…。

 もう1つは…そう。岡部、斎藤、原田、船木という…第2次日の丸飛行隊(第1次は、札幌オリンピックの3人としています)によって、2月17日に獲得された、スキ〜ジャンプ団体の金メダル。このメダル、団体モノではありましたけど…特に、原田雅彦にとっては個人戦と言っても、過言ではなかったモノであった気がします。彼によって、さらに美しくなったメダルと言うべきであるかもしれません。

 というのも、1994年2月22日のリレハンメルオリンピック時の団体ジャンプにおいて、当時アンカ〜であった原田は、自然の条件が悪くなかったにも関わらず、2回目に100mも飛べないという…致命的な大失敗ジャンプを犯してしまったのですから。俺を含め、生でこの瞬間を観ていたウチの家族3人も、さすがに当然ビックリ。『4年後、絶対に原田にもう1回チャンスをあげたい』と思ったものです。普通の精神状態であれば、まず失敗するコトはなかったはずですから…。

 しかし、原田が日本に帰ると…やはり、俺ら家族みたいな人間ばかりではなかったようで…。心ナイ人間が彼を自宅への電話など、様々な手でバッシングし、彼はそれから数年…精神的にスランプに陥るという経験をしました。それを乗り越えての、長野オリンピック代表。他の人の代表と、原田の代表とでは…俺の中では、重みがとても違いました。だからこそ、嬉しかったのです。彼に金メダルがかけられたコトが…。団体戦なので、他3選手の力量も凄かったからこそ、ナシ得た話ですけど…俺の中では、20世紀で1番美しい話であった気がします。五輪で失敗したコトを、五輪で見事なまでに返す、こんな格好良いコト、普通の人間じゃできませんよ…。

 ちなみに、今回のシドニ〜オリンピックで印象的だった金メダルを1つ挙げるならば…女子柔道48Kg級において、3回目の挑戦でようやく金メダルを手にした田村亮子や、女子マラソンにおいて、『小出監督を男にした』…高橋尚子ではなく、開会式で騎手を務めた、男子柔道100Kg級における、井上康生のメダルを選びます。前者2人の競技シ〜ンは生で観ましたし、彼女たちのが素晴らしかったのは分かってはいるんですけど、俺は…圧倒的な強さで勝ちまくって、誰よりも強い所を見せた一方で、表彰台では…“母親の遺影”を掲げて、自分の心の中を全て曝け出しているような、彼の母親への感謝の気持ちに対し、涙せずにはいられませんでした。しかも、彼よりも上にいたのは…遺影の母親ですからね。心ナイ人は、こんな彼のコトを“マザコン”などと呼ぶかもしれませんが、俺は美しいシ〜ンだと思いました…。

 あと、金メダル以外で印象的だったのが…同じく、男子柔道120Kg超級における、不本意な銀メダルをもらってしまった篠原信一。柔道は、試合中に抗議ができないようですが、これはオカシイです。直ちに、そのル〜ルを改める必要性があると思います。そうしないと、彼みたいな悲劇がまた大舞台で起こりますから…。っつうか、今あのシ〜ンを頭の中で振り帰ってみても、先に背中を付けてしまったのは、フランスのドイエで…しかも、『これは、1本獲られた…』というショックがアリアリで、すぐには立ち上がるコトができなかったのですから…。そうであるにも関わらず、副審1人以外の審判は逆の判定。彼は、無責任でレベルが低い審判に人生を弄ばれてしまったと言っても、過言ではナイと思います。そう考えると、NHKの有働さんのように…俺も、泣かずにはいられませんでした。大きな大会で、俺は彼の笑顔が見たいです。是非とも、篠原信一を男にさせてあげたいです。彼に対する気持ちは、リレハンメルオリンピック後の原田に対して、他人事とは思えなかったときに…とても似ています。。。

 最後に、俺が親になったら、もしくはヒ〜ロ〜になったら、話したいコトって結構あるんですけど…まとめるとこんな感じでしょうか。

【自分自身を、どんなときでも最後まで絶対に信じ続けるコト】

 ココで、主に取り上げたような選手は、それがキチントできたからこそ、ヒ〜ロ〜になれたと思うんです。絶対に忘れてはいけない事実であると思います。オリンピックは、こういうコトを客観的に教えてくれる良い機会です。だから、俺は観るのです…。

 シドニ〜オリンピックで頑張ってくれた選手の皆さん、お疲れ様でした。本当に感動をありがとう…m(._.)m そして、今までオリンピックで頑張ってくれた選手の皆さん、俺みたいな…一般ピ〜プルの記憶から消えるコトは絶対にありませんよ! 以上にて、第12回を終わらせたいと思います。

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