第7回のテ〜マ:【渡良瀬旅情 1】(2002.12.04.)


 11月の下旬、実は…“平日であるにも関わらず、仕事がお休み”という日がありました。ただ、時期が時期であったので、さすがに紅葉の方は×だと思いまして…季節を逆手に取って、【荒涼とした風景を撮ろう!】と思い立ち、渡良瀬方面に行って来ました。ちなみに、渡良瀬方面は色々な意味で以前から1度は訪れたかった土地であったため、思い付いた時点で“即決”という感じでした。今回は、その際に撮って来た画像を公開したいと思います。

@〜G:日光→間藤(松木渓谷のクライマックス手前の銅親水公園方面)

@JR日光駅

A古河橋

B足尾製錬所跡T

C足尾製錬所跡U

 今回の旅の起点は、上記@の通り…“日光駅”と致しました。この地に降り立ったのは、小6時の林間学校以来、10数年振り。日光林間学校といえば…自分と同じK小学校出身者にとっては、美しい景色よりも…【Cホテルのあまりにも不味くて食えるモノがホトンドなかった飯】の方が印象的だったのではないかと、俺は今でも疑いません。あっ、画像@はJRの駅舎ですが、東武の駅舎よりも重みがあるんで、東武線を利用して来たにも拘らず、こちらだけを撮って来ました…(;^^)。ちなみに、日光へは…浅草から東武の【特急・スペーシア けごん】を利用しても、所要時間は1時間50分程でした。殆どの駅が通過なのに、これだけかかると…やはり、【日光は遠いなぁ】という感じですね。今度、日光に訪れる機会があれば、【レンタカーを借りて、日光だけをキチント観光したいな♪】と思っております。

 …おっと。【せっかく日光まで行ったのに、イキナリそれ?】って感じの方もいるでしょうが、今回の自分の旅のメインは“渡良瀬”ですから。たとえ日光といえども、イッサイ予定に入れていない土地であれば、通過致します。というのも、起点を日光にした訳はですねぇ…実は、日光(清滝…古河金属があるトコ)と足尾町方面との間を、国道122号線(銅街道)経由で、バスが1日4往復しているのです。自分は、どこへ行くときもそうですが、【基本的に、同じルートを往復する…という方法論を採るのが大嫌いな性格】なので、“旅の始めから敢えてマニアックな方法を採ってみました”という訳です。そういう訳で、“今日は平日だし、おそらく足尾町のお年寄り数人と俺ぐらいしか町営バスは利用しないだろう”と思ってバスに乗ろうとしたのですが、これがビックリ。自分よりチョットだけ年下の若い男女4人組が車内にいて、逆にお年寄りが1人だけだったのですから。。。



D足尾砂防ダムA:T



E足尾砂防ダムA:U



F砂防ダムAからの景色



G足尾砂防ダムB

 ちなみに、この4人組は、次頁に記す…わたらせ渓谷鉄道の終点である間藤駅まで利用していたのですが、うち1人がメッチャ旅好きって感じで、自分のようにルート選定について、綿密に調べていた感じでした。おそらく、その彼も自分と同じで…【ただの往復旅なんかで満足する訳がナイじゃん?】って人なのでしょう。やっぱり、旅好きはこうでなきゃいけませんよね?

 しかし、自分は彼らとは違い、足尾らしい景色を求めて、間藤駅で降りずに…さらに5分程バスに乗り続け、“赤倉”という停留所で下車致しました(清滝から840円:所要時間は30分程/間藤駅から徒歩で20分程)。実は、赤倉地区より先に…【足尾らしい景色がある】というコトを調査済で、こういうコトができた訳なのですが、この赤倉地区にもですね、写真栄えする被写体があったので、キチント撮って来ました。まず、画像Aがですね、国内ではかなり貴重なモノと思われる歩道が木造である古河橋。渡っていて怖いというのは、吊り橋だけではないですね。こういう橋も怖いです(笑)。そして、画像BとCがホボ廃墟と化した“渡良瀬川公害の源”である足尾製錬所。【コレか…】って感じでしたね。荒れ放題の施設が、周辺の緑化されていない山々とエレジーを奏でているようでした。

 “産業発展の歴史が作り出した裏の部分についても、1度は画像として収めておきたい”という思いがあったので、【早くも目的は達成】という感じではありましたが、自分は赤倉から“ときにはカモシカも見えるらしい川沿いの道”をさらに20分程歩きました(ココから先は、松木渓谷と呼ばれている)。すると、画像D〜Gのような足尾砂防ダム、及び足尾環境学習センターを絡めた銅親水公園に辿り着きます。このあたりまで来ると、徐々に【日本のグランドキャニオン】と呼ばれている所以がなんとなく感じるコトができます。足尾砂防ダムについても、日本のグランドキャニオン同様…“人工モノ”ではありますが、荒涼とした周囲の山々との調和は見事ですし、本当に美しくさえ思いました。

 ただ、旅行後に行った独自の調査結果を総合的に判断すると…銅親水公園から先の方が、さらにスゴイ景色が観れるような感じでした(悔)。この秋以前は、車でダート道を突っ込めたようですが、今は工事用のダンプ等のみが通れる状態で、平日はその砂埃が凄そうです。そんな中、事実上徒歩のみ可というのは…チョットキツイと個人的には思います(1時間ぐらい歩くと→このような景色←が見えるらしい)。なんとかならないものでしょうかねぇ…(><)

 あと、この景色はおそらく数十年後には観られなくなる気がする程、足尾の緑化は着実に進んでいる印象を受けました。“治水”を考えれば、非常に良いコトだとは思いますが、個人的には、今までの日本の歴史における足尾の重要性を考えると、公害の影響で作られたこの松木渓谷美については、歴史の生き字引としてモノ凄く貴重なモノだと思います。そういう訳で、むしろ…【この状態を1年でも長く保ち、緑化を憂わなければいけない】と俺は考えるのですが、間違っていますでしょうか…。

〜その他メモ〜

 赤倉地区より先は、【ゴーストタウン】です。閉山してからは完全に“荒れ放題状態”となっているような感じであった足尾精錬所跡も含めて、モノ凄く気味が悪く、久々に1人で旅しいる際に、妙な不安に駆られましたね(今度は、車で行こうと思います…^^;)。でも、これらの雰囲気も荒涼とした景色を際立たせるのに、一役買っていた気もします。ある意味で、足尾以外の他の炭鉱閉山都市についても来訪してみたくなりました。

→戻る←  →次頁へ←