第12回のテ〜マ:【みちのく旅情 1】(2003.05.31.)


 2003年GW、俺・にゅうは、急に思い立って?、【みちのく巡り】をして来ました。天気予報が抜群のモノだったので、【我慢できず…】という感じで、桜前線を南の東京から大慌てで追っかけるツモリで?行ってみました。ちなみに、盛岡より北の東北の街に行ったのは、10数年振りです。東北、大好きなんですけどねぇ…。

@〜D渋民 ≪都内→盛岡駅→渋民駅:軽く散策≫

@いわて銀河鉄道

A岩手山@岩手富士

B石川啄木記念館

C尋常高等小学校

D斎藤家

 GWのせいか、朝から八戸行新幹線“はやて”の指定席は満席。当日の朝獲りに行くのは、やはり無謀で…【そんだったら、仙台からなら乗れるかな? 仙台で指定券を買えば良いや!】と思い、仙台迄早廻りしたら、【途中駅の改札内では、はやての指定券は購入できない】とのコト…。【自由席が全くない列車なのに、JRはこんな儲けが出ない様なコトをしてるんか?】ってな感じでしたが、ルールはルール(哀)。そういう訳で、ワタクシ…東京駅から盛岡駅迄、なんと4時間もかけて行きました(通過した駅は白石蔵王のみ)。さらに、そのうちの半分位は立っていたので、もの凄く遠く感じました…ハイ。

 しかし、GWとはいえ、いきなりこうなってしまうとは予想だにしませんでした…。さすがに、盛岡から先…また列車を長距離乗車し続けるのは、【チョット勘弁…】ってな感じでした。そういう訳で、【せっかく著名人を数多く輩出している岩手県に久々に来たコトだし、そういう人の出身地にでも行ってみようか…】という感じで、盛岡から画像@のいわて銀河鉄道(元・東北本線)の列車に乗車し、渋民に行ってみるコトにしました。。。

 渋民といえば…ハイ、そうですね。かの有名な詩人・石川啄木の出身地で、現在でいう玉山村という所に当たる訳なのですが、この日の様に天気が快晴であれば、画像Aの通り、岩手富士と田畑とのコントラストが抜群に良い所です。しかし、我ながら…コレは上手く撮れたなぁ。。。(;^^)

 画像Bの石川啄木記念館は、渋民駅から徒歩2〜30分位の国道4号線沿いにあります。記念館に入って初めて知ったのですが、啄木の人生は短命だったのに、【代用教員やったり、新聞記者やったり、でも夢諦められず…】みたいな感じで、写真の雰囲気では想像が付かない位のバイタリティに溢れた人物だった様です。ただ、自分の印象からすると、【天才過ぎたコトによる波乱万丈人生…】という感じもしましたけど。啄木自身のプライドもとても高そうでしたし、周りも啄木に上手く付いて行けてなかったなという感じもしましたし…。彼の詩は、そんな私生活が絡んだ何かそういう意味での哀愁詩が多くて。読んでいて、容易に想像が付く様なトコがあり、辛いトコ…ありました。詩の儚さが、彼の人生のそのものの様というか…。

 ちなみに、画像CとDは記念館内にある移設モノでして…前者は旧渋民尋常高等小学校の校舎で、啄木が代用教員をやっていた頃のモノが移築されたモノです。そして、後者は啄木がその頃に下宿していた住居です。自分は、小学生の頃、岩手県の千厩(読み:せんまや)という所で1週間、画像Dの様な感じの家で生活したコトがあるのですが、その思い出が蘇りました…。内部は、そんな懐かしい匂いがします。。。

E〜H花輪線〜旧国鉄塗色の気動車に揺られながら〜 ≪好摩駅→十和田南駅≫

E花輪線@十和田南駅

F車窓T@安比高原付近

G車窓U@米代川支流

H車窓V

 啄木記念館から、花輪線が分岐駅する好摩駅まで歩きました。前述した“いわて銀河鉄道”ですと、渋民の次の駅が好摩なのですが、確か1駅なのに250円位…。【勿体無いなぁ…】と思い、歩いたのですが…記念館からでも、徒歩45〜50分(汗ビッショリ)。渋民から記念館迄の所要時間を考えると、スゴイ時間ですねぇ…(;^^)。【地方の初乗り200円超え区間は要注意!】という感じでした…。

 さて、話を本題に戻しましょうか。この日は、あまりにも天気が良かったので、十和田湖に行ってみたくなりまして…。好摩駅からは、JR・花輪線に乗車致しました。この花輪線は、好摩と秋田県の大館との間を結んでいる路線(好摩始発はなく、全て盛岡始発なので、微妙な所ですが…)でして、全長は106.9Km。全線を走破する列車は快速を含め、1日6〜7本で区間便も数本しかなく、まぁ…典型的なローカル線といった所でしょうか。ちなみに、今回の自分が乗車した車両は上記画像Eの通り。依然として扇風機の列車(非冷房)で、車両の塗色も…旅情をかき立てる、一昔前の国鉄時代の塗色。なんか、タイムスリップした感じで、さすがにコレには驚きました…(;^^)

 ちなみに、この花輪線…【人口があまり多くない農村をひた走る】という感じの路線です。実際、松尾八幡平〜鹿角花輪間(そんな区間が52Kmもあります)なんて、乗降客がホトンドおらず、景色だけでなく…車内の雰囲気もノドカでした。その昔、対向列車の交換時等に使われていたホームに咲く画像Hの桜なんかを見ると、心がとても和む様な…そんな感じです。その中でも、特に旅情をかき立てた車窓は…好摩を出て左へとカーブした後、何回かある延々と直線が続く区間、あとは…キツイ勾配が続く松尾八幡平〜安比高原間(線路際の小川のせせらぎが堪能できたかと思えば、画像Fの様な白樺林の中を通過したりと…実に印象的な区間)、それと…湯瀬温泉駅付近の渓谷といった所でしょうか(こちらは、残念ながら…画像には上手く収められず)。ただ、直線区間のモノを除き、注意していないと結構あっという間に通過してしまうので、花輪線を利用される際は、【流れ行く時間を想いながら、車窓を愉しむ】というスタイルが1番良い気がします。

H〜N十和田湖 etc ≪十和田南駅→発荷峠→休屋→青森駅≫

I十和田湖@発荷峠より

J十和田湖@休屋より

K十和田湖案内

 十和田南駅迄辿りついたものの、着いてビックリ。ココから先、十和田湖方面のバスが15時数分前の時点で、実はもうナイなのです…(汗)。さらに、よく調べてみると…バスが出発した時間がたったの20分前。大館方面からの列車とは接続して、盛岡方面からの列車と接続していないという有様(JRバスが3月末で廃止になったため…の様です)。【あと20分待ってくれよ!】という感じでしたが、ツイテナイ日は続くモンですね。こういうコトって…(><)。ただ、次の列車が2時間20分後というコトもあり、さすがにココまで来て諦めるのも…という感じだったので、駅前に停まっていたタクシーの運転士さんに色々と聞いてみたら、【発荷峠迄なら…そうだね。40分で行けるよ!】とのコト。莫大となるであろう出費のコトがすぐに頭の中を過ぎりました…が、高ぶる気持ちは抑え切れず、俺は腹を括りました。タクシーで“Let's Go!”@超お金持ち気分♪

 国道103号線経由で大湯温泉等を通過し、約40分後…発荷峠の駐車場脇にある展望台から観えた景色が上記画像Iなのですが…絵葉書を基に、姑息な手を使ってUPした画像ではありません。コレ、実は自分のデジカメで撮ったモノです。マジっす! 当然、観てすぐに感動の極致でしたよ…感動の極致っ! 十和田湖といえども、ココまで湖面が美しく映えるこんな素晴らしい日は、年に数える程しかナイのとちゃいます? 今迄、自分はあちこちで素晴らしい景色を観て来たツモリですが、コレは間違いなく【ベスト3】に入ります。大金叩いた甲斐がありました…。あのときの感動を、こんな拙い表現でしか伝えられない自分が本当にモドカシイ。。。



L奥入瀬T From Bus
(奥:白糸の滝)





N奥入瀬V From Bus





Pゴールドライン車窓U





Rゴールドライン車窓W

 こんなにまでも俺の心を掴んで離さなかった発荷峠から離れるのは、非常にツラかったのですが…上述した通り、花輪線の列車本数もあんな感じでしたし、バスで青森駅の方に抜けた方が“早い&安い”のは非を見るよりも明らかであったため、待たせていたタクシーに再び乗車し、峠を下り、十和田湖の中心部・休屋へ出るコトに致しました(結局、十和田南駅から〆て10500円の出費:^^;)。休屋で湖を観ると(上記画像J)、今度は【遊覧船に乗車したい気分…】に駆られましたが、翌日は翌日で青森県内を大きく周遊する予定でいたため、そんな時間は全くなく…この日のスケジュール等に多少後悔しつつ、16時30分発の青森駅行の最終バス・みずうみ15号に素直に乗車…というコトになりました。実際の話、この十和田湖に関して…発荷峠からの景色を偶然見付けた以外は、ホトンド調べておらず…この結果は、仕方ないという感じなのですが…。

 この後…不運ばかりで、不完全燃焼的な所もあった自分を、このバスがガラリと変えてくれます。バスは、休屋を出てから…宇樽部、子ノ口という湖畔の集落を経由するのですが、この区間では左手に十和田湖を眺めるコトができ…子ノ口から先では、画像L〜Nの様に、あの…“奥入瀬渓流”を眺めるコトができます。この区間では、一部徐行運転サービスもあります!

 さらに×2、十和田湖温泉から先では、蔦温泉と右下の画像Sの酸ヶ湯(読み:すがゆ)温泉等、山間の温泉郷(ゴールドライン)を経由するのですが、この区間では画像O〜Rの様に八甲田山周辺の自然をトコトン堪能できます。ちなみに、この日は左右の画像の通り…5月でありながらも残雪がまだ残っており、一部区間ではスノーウォール@雪の壁が観られました(生では初めて観ました)。さらに×3、もう1本前のバスであれば、酸ヶ湯温泉から先のどこかで岩木山も観える様です。。。

 今回は時間の関係上、岩木山だけは観るコトができず、残念な結果とはなりましたが…その分、バスの車内からは、左下の画像Rの様に、沈み行く太陽と八甲田の自然が重なる素敵な瞬間を目の当たりすることができたが故、むしろ満足感さえあります。あの瞬間を【美しい】の一言では片付けたくはありませんが…【GW、無理して旅に出て良かった♪】と心からそう思えました。後部座席にいたアメリカ人の方と、俺は八甲田の自然の完全に虜でした…(;^^)

 右上の画像Qの様に、ブナの木が折り曲がっている所を観ると、八甲田周辺の冬の厳しさを痛感せずにはいられませんでしたが、それによって手付かずの自然が多く残っていると思われます。1台のバスでココまで色々な景色を欲張れるこんな美味しいバス路線は、全国探してもそうはナイコトでしょう…。

 ちなみに、休屋から青森駅に向かう場合は、進行方向左側の座席が、十和田湖温泉から先、八甲田山を眺めるのであれば、今度は進行方向右側の座席がオススメです。蔦温泉や酸ヶ湯温泉での休憩時間も含め、3時間程の旅ですが、個人的にはオススメ度はメッチャ高いです。旅行客が大勢集まる秋の景色も良いのでしょうけど、残雪がある春もオススメという気が致しました。



M奥入瀬U From Bus
(奥:白布の滝)





Oゴールドライン車窓T





Qゴールドライン車窓V





S酸ヶ湯温泉

〜その他メモ〜
 十和田湖の交通機関に関して、念のため補足を…。今回、自分は盛岡側から行きましたが、当然…盛岡駅からバス路線はあります。ただ、ネット検索で調査してみた限り…上述した発荷峠は通過してしまう様です。さらに、十和田南駅から発荷峠を経由するバスに関しても、上述した通り…JRバスが廃止されてしまった関係上、現在は1日たったの2本(十和田湖方面からは3本)。発荷峠から休屋迄の距離もかなりあり、後旅程のコトを考慮すると、途中下車は非常に危険です。列車旅での発荷峠は秘境レベルです! 立ち寄る場合は、今回の自分みたいに、タクシーかレンタカーでないと、素晴らしい景色に酔いしれた後、帰れなくて涙するコトになります。

 ちなみに、自分が今度十和田湖に行く際は、盛岡からレンタカーで田沢湖八幡平とかを経由してどこかで1泊した後、2日間かけて遊覧船と湖畔周辺の展望台を廻ったり、奥入瀬渓流を徒歩で廻ろうかなと思っております。そして、十和田湖周辺での宿泊先は絶対に八甲田方面の温泉! 毎日快晴であれば、この周辺だけでも4日は割きたいですね。むしろ、そういう日程を組むのが賢明かと思われます。

★宿泊地:あおもり健康ランド
 新青森駅から徒歩8〜10分程。駅北側にある国道7号線沿いにあるせいか、常に利用客は多そうです。ただ、列車で行く場合は要注意かもしれません…。新青森駅周辺は次頁の画像で想像付くとは思いますが、現在は街灯が全くナイに等しい場所であるため、夜間は非常に暗くて、土地勘がナイと非常に気味が悪いです。ちなみに、健康ランド前を経由するバスも1時間に1本は走っていそうな感じでしたが、青森駅前のバス停を経由しないので、分かり辛いかもしれません。

 余談ですが、翌日の朝食に関しては前日の22時頃迄にフロントで頼んでおくと食するコトができる感じでした。【味に関して、◎っ!】かどうかは分かりませんけどねぇ…。

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