第12回のテ〜マ:【みちのく旅情 3】(2003.06.15.)


@〜K五能線:其のT ≪弘前駅→十二湖駅≫

 弘前市内を散策した後、弘前駅からJR・五能線に乗車するコトに致しました。昨年乗車した只見線と共に、以前から1度は乗車してみたい路線だったのですが、今回の旅で、遂に念願叶いました。ちなみに、この五能線…路線名は、五所川原の“五”と能代の“能”を獲ったモノで、正式には弘前から2駅青森寄りの川部から東能代までの“五所川原経由の海沿い路線”を指します。全長は147.2Kmで、全線乗車時の所要時間は4〜5時間。昨年乗車した只見線よりも距離が長い、【JR随一の大ローカル路線】で、海岸線の車窓は一見の価値有です。ちなみに、現在の各駅停車の本数は下記の通りとなっております。。。

 @川部〜鯵ヶ沢:11本/日......弘前からの所要時間は1時間20分程
 A鯵ヶ沢〜深浦:6本/日........川部からは5本/日→弘前からの所要時間は2時間30分程
 B深浦〜東能代:5本/日.......川部からは3本/日
  →尚、上記Bの他、東能代までの区間便が…岩館から1本、能代からの“1駅便”が14本あります。

 ただ、只見線とは異なり、この五能線は…1996年に秋田まで新幹線@こまちが走るようになってからは…沿線全体が脚光を浴び始め、変貌しつつあります。1993年12月から【世界遺産】に登録されている白神山地が沿線の観光地というコトもあり、JR東日本が本気でプッシュするべく、なんと下記画像@の車両をAの様に大改造を施したのです。

 この列車が、1997年から秋田駅から新幹線に接続した形で運行されている【リゾートしらかみ号】という“全車指定席の4両編成の快速列車”。秋田方面から下り列車を【五所川原以遠まで乗車】すれば、途中停車するあきた白神、十二湖、ウェスパ椿山、深浦…以上4駅のうち、1駅の観光地&千畳敷(駅名も同じ)を巡るコトができる上に、車内では津軽三味線の生演奏が聴ける…とあり、大好評。そして、弘前方面から上り列車を利用すれば、【天気が良ければ、車内から夕陽が日本海に沈む場面を堪能できる】とあり、大好評。遂には、“多客期は指定席を確保するのが困難”となる程の好評を博す様になったため、この2003年4月からは、下記画像Aの“緑色バージョン”のブナ(→漢字変換不可)号も運転開始。現在では、特急仕様の快速列車が1日2往復(除:冬季&閑散期の平日等)走っております。

 そういう訳で、“豪華列車”がお好きな方は、車内の座席の多くが海側に配されている【リゾートしらかみ号】を…旅情を感じたい方は、時間待ちも多い【各駅停車】を…という感じでしょうか。ちなみに、今回の自分は、五能線は長距離路線であるため…当然の如く、後者を選択し、弘前から十二湖に向かうべく、下記画像@の様な2両編成の列車に乗車致しました。。。

@五能線@深浦駅

Aリゾートしらかみ 青池

B車窓T@林檎畑

 9時25分発の深浦行。弘前から深浦以遠まで行く朝1のこの列車は、観光客ばかり…。ただ、終点の深浦までこれ程の人が行くとは思えず、【おそらく、五所川原乗り換えの芦野公園の桜が目的なんだろうなぁ…】と思ってましたが、【真相は如何に?】という感じで、列車は発車し…あっという間に、川部へ。列車は、ココで早くもスイッチバックをし、五能線内に入ります。

 さて、五能線内に入って最初に目に付くのが、左右の車窓にイッパイに広がる…枝の伸び方が非常に特徴的な“林檎畑”(快晴であれば、岩木山も見えたのでしょう)。【林檎=津軽】という所があり、良い感じ♪ ちなみに、林檎の花は、5月中旬前後に咲くので、【弘前の桜に嫌われたら、林檎の花に期待しよう!】という感じで…実は、自分は五能線に乗車した所が多少あったのですが、残念ながら上記画像Bの通り。こちらの場合は、完全に早く、結局両方共に嫌わる結果に。いと哀し…(>_<)

 そうこうしているうちに、弘前から40分少々。【やはり…】という感じで、芦野公園方面目的の方が五所川原にて多数下車。その後は、やや退屈な普通の農村風景の車窓が暫く続き…30分後。海岸線が見え始めた所が、沿線内の主要駅の1つである鯵ヶ沢。対向列車待ちのため、約20分停車しましたが、ココでも下車する乗客はかなり多く、“この鯵ヶ沢で、ようやく車内の雰囲気が乗車前に予想していた様な感じになる”という感じでした。ちなみに、個人的には…鯵ヶ沢では、くろくまの滝という所に行ってみたかったのですが、金銭的な余裕もなく、車でなければ行けなそう雰囲気だったので、諦めました…(;^^)

 鯵ヶ沢で海岸線が見えたので、【車窓への期待は高まるばかり…】でしたが、【まだパッとせず】。さらに、鯵ヶ沢から3駅目の北金ヶ沢ではまた対向列車待ち。今度の相手は、上記画像Aのリゾートしらかみ。以前から、どういう車両か気になっていたので、ホームで待っていたのですが、間近で見てみた感じ…噂通りの窓が大きい好車両。このとき気付いたんです。しらかみの座席が海側寄りに配されているというコトに。このとき、【もう少しで海岸線の車窓が始まるのかな…】と予感しましたね。。。

C車窓U

D車窓V

E車窓W



F車窓X



H車窓Z



J車窓\

 そうしたら、予感通り…この先の区間でした。以前から旅先にて偶然出逢った人達等から噂で聞いていた、奇岩が連続する素敵な海岸線の車窓が始まるのは。北金ヶ沢より先、この列車の終点である深浦まではカーブが結構あるのですが、この区間を列車は車輪をキーキー言わせながら、海岸線をノ〜ンビリとひた走ります。窓から顔を出せるだけ出して?、遠方を望む(近くを見ると、意外とゴミが多いために興醒めする)と、日本海からの海風がと〜っても気持ち良くて、心行くまま旅情に浸るコトができます。

 残念ながら、この日の午前中に関しては…天気がイマヒトツであったため、あのときの自分が感じた様な心地良さを、これらの画像を全て利用しても、イマヒトツ伝え切れていない気も致しますが、それでも…【遊覧船に乗船しているかの様な雰囲気!】です。間違いなく、オススメできますねぇ〜♪ ハイ。ちなみに、上り列車(弘前→東能代方面行)の場合は、進行方向に向かって、右側の座席でこのような車窓が見られます。

 最後に、余談ではありますが、深浦より先…十二湖までは、上述した区間ほど長くはありませんが、深浦駅を発ってすぐと、陸奥岩崎〜十二湖間の一区間等で、“海岸線を楽しむコトができた”と記憶しております。ちなみに、画像Kは確かこの区間で撮ったモノなのですが、コレは森山海岸の象岩と言うモノの様です。

 以上が、“五能線:其のT”で、約3時間のローカル線旅情であります。満足するコトはできましたが…心残りがあるとすれば、お天気と…艫作駅(深浦駅から能代方面へ2駅)で下車して、日本海に面した不老ふ死温泉に行くコトができなかったコトでしょうか…(;−−)。もっとも…自分が乗車した列車の後は、4時間も列車がナイので、やむを得ないのですが…。



G車窓Y



I車窓[



K車窓]

13〜21 五能線:其のU ≪十二湖駅→(能代駅)→東能代駅≫

13 十二湖駅T

14 十二湖駅U

15 十二湖駅V

16 車窓J

17 車窓K

18 車窓L

19 列車からの車窓M



20 車窓N








21 車窓O

 十二湖散策の画像は後回しにし、引き続き十二湖駅以遠の五能線の画像を…。

 次頁にて後述しますが、十二湖の駅は上記の通り、海にも非常に近いです。【海側に向かって線路を跨いで、目の前に見えるであろう廃屋の先まで歩けば、そこは海岸線…】みたいな。十二湖駅周辺の観光に時間がもし余るようなコトがあったら、こんな所で、ノ〜ンビリとするのも良いかもしれません。誰もいない海岸線で見る日本海、旅情はタップリです!

 そんなこんなした後、待合室に戻ると…地元の方がお喋りしに来まして、色々なコトを話すコトができました。十二湖のコト、水のコト、白神山地のコト、最近のこの周辺のコト…etc。大雑把に要約すると、【白神山地が世界遺産に登録されてから、変わってしまった。駅名(旧・陸奥黒崎→新・白神岳登山口/あきた白神)然り、観光客の数然り…。五能線沿線がこ〜んなに有名になって欲しくなかった。俺らの“普通の地元”みたいな感じであって欲しかった…】ってな感じでしょうか。

 自分は、地元の方々の声が聞ければ、可能な限り…鑑みるスタイルで旅行記を書いておりますが、ココまでストレートに聞いたのは初めてかもしれません。結局…旅する上で大切なコトって、その様な声が聞こえる距離で旅するコトではないかと、改めて実感致しましたね。。。

 さて×2、その方が、【俺は、全国を旅する人間ではないから、分からないコトの方が多いけれども…それでも、あの区間の車窓は日本一だと思うよ!】と言われていたのが、大間越〜岩館間の10.8Km(1駅:13分)。其のUに並べた車窓画像は、ホボその区間のみです(16〜19は間違いなく/20は岩館前後?)。画像の雰囲気で分かるとは思いますが、上述した深浦手前の区間の様に、海岸線と同じ様な目線で日本海を見るのではなく、【高台から日本海を望む】という感じなんです。五能線における車窓のクライマックスは、間違いなくココでしょう。まるで、離島で見る海岸風景の様。非常に美しいです。ちなみに、夕方にこの区間を通過する上りのリゾートしらかみに乗車すれば、時期によって異なるでしょうが、このあたりで夕陽が眺められる様、徐行するそうです。心憎いサービスですね。

 最後に、余談ですが…岩館を過ぎると、八森あたりまで海岸線が何回か見えた後、左記の21の様な農村のノ〜ンビリとした落ち着いた車窓に再び戻ります。【リゾートしらかみに乗車していたら、見逃しそうな車窓】かもしれませんね。敢えて、他の画像以上に気を遣って撮ってみました。

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