第13回のテ〜マ:【North Island's StoryU-2】(2003.9.15.)


@〜Q:幾寅→層雲峡 (7/28)

 旅程:幾寅→新得→狩勝峠→然別湖→糠平→層雲峡 (幾寅→新得のみ列車移動)

@幾寅駅T

A幾寅駅U

B幾寅駅V

C幾寅駅W@ロケセット

 前頁にて、幾寅駅に関して触れたので、まずはそのコトでも…。実は、この幾寅駅…浅田次郎氏の【鉄道員(ぽっぽや)】を映画化した際に、幌舞駅として使われました。決め手となった理由は…ホーム1本で、上記画像Bの様な階段があるからとか…。【こんな駅、道内探せば多々あるんとちゃうん?】と言う方もおられるのでしょうが…確かに、自分はあちこち行きましたが、囲いが全くナイ階段があり、且つ駅舎もあり、列車の本数が少ないetc…といった現実問題も絡めると、限られると思います。。。

 是非、幾寅駅に立ち寄る際は、前頁の様に駅を発つ列車を見送ってみて下さい。列車がいなくなった後の静寂は、列車で旅して来た者にしか分からない独特の雰囲気がありますから…。さらに言わせて頂けるのであれば、富良野線から直通で運転される窓が開かない最新ディーゼルカータイプの列車ではなく、前頁の様な旧型ディーゼルカーの方が旅情感が出ると思いますので、拘り派の方は時刻表とも睨めっこして下さい!

 …そうそ、あともう1点だけ気になったコトがあるので、言わせて頂きますが…幾寅駅を訪れる観光客は意外と多いのですが、列車で来訪したのは、学生&地元民を除くと自分だけでした。【お〜い、それを旅と言うんか〜? 感慨も何もナイで〜!】って感じやってんけど…せめて、ココを読んでくれた人位、列車で旅をしてくれるコトを個人的には願わずにいられません。。。

 次に、↓下記画像D↓に関してですが…新得迄列車で移動した後、車で「日本新八景」平原の部で入選している狩勝峠迄引き返して、1枚撮って来ました。落合駅を発ち、新狩勝トンネル等を抜けて暫く経った後、本当は列車内から撮りたかったのですが…あいにく、窓が開かない新型車両であったため、逆光になってしまいまして…(>_<)



D狩勝峠

 …とは言いましても、あの車窓は1枚ポッキリの画像で上手く伝えられる様な車窓とは言えませんけどね。【続け様に流れて行くからこそ、車窓として味わい深い!】みたいな…。ちなみに、落合〜新得間は1駅で28.1Km(但し、途中の信号所も含む)。所要時間は、対向列車との行き違いの待ち合わせ時間が少なくても、最速で25分程あり、スケール感は抜群です!

 しかし、その昔のロイター通信の記者が、「私が見る限りでは、アメリカのロッキー山脈を越えるオグランデ鉄道沿線、ロシアのウラル山脈越えのそれぞれの1箇所がこの地と比較できるだけで、狩勝は車窓からの世界3大展望の1つと言うべきであろう!」とまで絶賛した車窓(旧線は勾配がキツク、1966年に現在の新線@トンネルルートに切り替わっております)が、この日の天気自体が好天であったコトもあり、少しだけ垣間見れたのは本当にラッキーでした。個人的には満足できました。

E然別湖

Fタウシュベツ川橋梁T

Gタウシュベツ川橋梁U

H第五音更川橋梁

 狩勝峠からは三国峠経由での層雲峡入りを目指し、北東へ進路を変更しました。実は、こちらの方は、交通の便が不便で、車でしか行けないため、新得で車を借りたのですが…それ故に、未だに手付かずの自然が数多く残り、ひなびた温泉等も多い地域です。実際の話、コマメに全て廻りたいのが、本音でした。ただ、そんなコトをしていたら、何時間あっても足りないので、今回は然別湖&糠平湖に限定しております。。。

 では、まずは鹿追町にある然別湖に関して。こちらは、狩勝峠からは車で1時間位でしたでしょうか。十勝地方には、数多くの湖がありますが、数少ない天然湖で遊覧船も1時間おき位に出ているカルデラ湖です(道内において、1番の高所にある湖)。ココまで来た途端に、雲が出て来て、チョットガッカリだったのですが…暑さとは無縁の所のせいか、空気が美味しくて、とても気持ちが良かったです(観光客もホトンドおりませんでした)。

 ちなみに、時間&体力があるならば、遊覧船はもちろんのコト、駒止湖(←確か、車が止めづらい所にあった気がします)や東雲湖(←然別湖から徒歩で往復3時間:^^;)もチェックした方が良いかと思います。あと…食を求める方は、然別湖畔近くのホテルでは、名物・オショロコマが鹿追蕎麦とセットで食せますので、忘れずにそちらも愉しんで来て下さいね。美味しかったですよぉ〜♪\(* °▽ °*)/←忘れてない

 この後は…然別湖畔の狭道を抜け、山田温泉あたりから延々と続くカーブ道を1時間程運転し、糠平温泉の方に抜けました。ココ数年、この糠平温泉がある上士幌町では、昨年訪れた斜里町にある旧国鉄・根北線の第一幾品川橋梁の様に、近代産業遺産として旧国鉄・士幌線(1987年廃止)のアーチ橋梁群を観光名所として、プッシュしている様なのですが、コレがですねぇ…写真で見る限り、周囲との景観が相まっていて、とても美しかったんですよ。それ故に、【この目で一目見てやろう!】と思い、遠路はるばる上士幌町へやって来たという訳なのですが、上記画像のタウシュベツ橋梁や第五音更川橋梁はいかがでしょうか?? 個人的には、アーチ橋の美しさの中に憂いが含まれていて、好きな風景であったりするのですが…。こんな路線が廃止される前に、せめて1度で良いから、乗車してみたくもあったのですが…。ココを訪れる各観光客に、そんな思いがあったのかどうかは分かりませんが、このタウシュベツ橋梁前には、然別湖よりも観光客がいましたよ。。。(低レベルですけど…^^;)

 ちなみに、なぜに、このタウシュベツに人が集まるかと言いますと…実は、糠平湖にダム建設が行われる際に、唯一湖底に沈むコトになったアーチ橋なのです。つまり、湖の水量が少ない時期のみ、あの様な形で見える…ある種、神秘的な橋なのです(※GW中とかは全形が見える様です)が、写真の状態ですと…約8割は沈んでいる【ギリギリセーフ状態】といった所ですかね。尚、このタウシュベツ橋梁に関しましては、糠平側からですと…三国峠方面(北方向)に向かって、田村橋という橋を渡ってすぐに右折した所にあるダート道を延々と走ると、辿り着けます。冒険気分も味わえますが、野生動物にはクレグレも御注意を…(;^^)



I幌加温泉T



J幌加温泉U



K三国峠付近より

 大自然の中にヒッソリと残るアーチ橋梁群を見た後…実は、温泉に浸かりに行きました。糠平湖周辺は、然別湖よりも標高が低いせいか、とても暑くて…(;^^)。大汗をかいてしまったのです。。。

 という訳で?、上記画像Hの第五音更川橋梁から結構近くにある幌加温泉という所に寄ってみるコトにしました。【上述した糠平温泉に行けば良いのに…?】という方もおりましょうが、あそこは層雲峡とは逆方向になるのがネックだったというのと…実は、この幌加温泉が自分のこの日の宿泊候補地であったが故です。ちなみに、幌加温泉で現在営業している所は、廃校の校舎という趣のホロカ温泉(画像I左:カワイイ犬が出迎えてくれます!)と鹿の谷(同右:食事は各自の自炊にて…という宿?)の2件かと。もう1件は、一応…建物はあるのですが、なんとなく潰れてから随分と日が経った感じで気味が悪くて。。。(;^^)

 どちらの温泉に入ったのかというと…鹿の谷の方です。ホロカの方は、【昨年の台風の影響で露天風呂が崩壊してしまって、露天は未だに入れないのです…】とのコトだったので…(確かに、あの台風は凄かった)。鹿の谷の温泉はというと…更衣室だけはセパレートなのですが、内風呂は左記画像Jの通り(手前から…ナトリウム泉、鉄泉、カルシウム泉の3種)で、実は旧型の混浴タイプ。露天も合わせれば、硫黄泉の4種類が愉しめます。そうそ…前述した画像を注意して、もう1度見て下さい。実は、内風呂にシャワーがありません…(;^^)。【まだこんな所があるんだ…】と思って撮ってみたという訳ですが、よく考えてみると…内風呂で歴史が感じられる所は、残念ながら本当に少なくなりましたよね。個人的には、ココの内風呂に関しては…【いつまでも、この雰囲気のままであって欲しいな】と思っております。お湯よりも雰囲気に酔いました(笑)

 余談ですが…この幌加温泉がある地域は、旧士幌線内で全線廃止前にバス転換された程、人口が少ない地域(糠平より北)でして、現在は糠平と十勝三股との間をバスが1日1往復走るのみです。車は要必須ですので、どうか御注意を…。また、冒険したい方は幌加温泉の北にもダート道があるのですが、ソコを頑張って走ると…“川を渡れば行ける!”岩間温泉という露天があります(ココは四駆等でないと苦しいでしょう)。ちなみに、この周辺を標高が高い三国峠付近から見渡すと、左記画像Kの通り…。未だに、旅行客を圧倒する程の大自然が溢れておりますので、行かれる際は野生動物にはクレグレも御注意を…(;^^)

L層雲峡T@大函

M層雲峡U@小函方面

N層雲峡V

O層雲峡W



P層雲峡X





Q銀河の滝 流星の滝
(左から)

 三国峠を越えた後は、大雪湖を経由し、3万年前の大雪山噴火をキッカケに、長い歳月をかけてできた全長24Kmに及ぶ断崖絶壁が、誇り高く聳える層雲峡へやって来ました。ちなみに、層雲に関しては、“アイヌ語のソーウンペツ(滝の多い沢)”から来ている様で、命名者は大町桂月という方とか…(無知で恐縮:謝)

 さて、層雲峡の周辺に関しては、翌日は上川駅へ車を返却するというコトもあり、実は…車で一通りドライブしたという感じなのですが、24Kmもこんな渓谷美が続く中、この周辺を1人でドライブしてみると、ただただ圧倒されますね。上川駅方面からやって来ると、ココには独特の荘厳な雰囲気を感じると思います。まさに、宗教の聖地的な所の様です。そのせいか、道南以外のツアーでは層雲峡をホボ必ず巡りますし、国内だけでなく、中国等も含めた観光客はかなりの数です。然しながら、層雲峡温泉(大雪山ロープウェー付近)より東、所謂…今回写真を掲載している箇所の定期バスは1日数往復。なんとなく、矛盾有。。。(;^^)

 そういう訳で、【ツアー旅行以外で層雲峡にやって来るには、自らが運転して来なければいけない!】というコトになる訳なのですが、1番良いのは自転車だと思います。好きな所で止まれますし、好きな所で写真撮影できます。24Kmもあるのですから…【特典】を活かすべきでしょう。また、層雲峡付近のレンタサイクル屋は他の観光地の倍の御値段ですから、その方が圧倒的にお得です…(;^^)

 最後とはなりましたが…現在、層雲峡は1番の見所?であります小函周辺(上記画像M付近)が、残念ながら…【落石の恐れがあるため、無期限通行止め】となっております。この様な景観であるが故、仕方ナイとは思うのですが、紅葉の時期以外において、流星の滝、銀河の滝、大函等だけでは、【チョット寂しい観光地かな…】というのも自分の本音であったりします。2つの滝も左記画像Qの通り、豪曝タイプではありませんし、滝壷もイマヒトツ。さらに、日本百選の滝とはいえ、駐車場から容易に見える和み系の滝というタイプですしねぇ…。尚、2つの滝をQの様に1枚に収めるには、駐車場から徒歩20分程歩いて、双曝台に行く必要があります(小柄な方には、階段の段差がキツイかも)。あくまで、御参考迄。。。

★宿泊地:桂月荘
 層雲閣グランドホテル姉妹館(前述した大町桂月から来ている様ですね)。“流星の滝 銀河の滝”がある駐車場からは、車で2〜3分の所に桂月荘の駐車場があるのですが、その駐車場前から徒歩2〜3分の所に宿があります。【吊橋を渡らなければ、宿には辿り着けない!】など…雰囲気は穴場チックで抜群! さらに、層雲閣グランドホテルの姉妹館のせいか、食事も◎…なのに、御値段安い&温泉有…みたいな(但し、1名での利用は+1000円:哀)。間違いなく、穴です。問題は、シャワーの湯量が少ないコト位ですかねぇ…(;^^)

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