第18回のテ〜マ:【みちのく旅情A 三陸編-3】(2004.11.27.)


 この頁に関しては、全て車で来訪した所となっております。点で廻るコトはあまり好きではないのですが、16年の時が経ち、1番変わったコトは…【バス事情だ】と思いました。とにかく不便極まり無で、列車を効率よく利用した旅は困難な地が多過ぎました。。。

@〜B:宮古周辺(2004/10/24)

 さて、この日9時過ぎに車をレンタルしてから最初に行った場所は…宮古において、1番有名な観光地と思われる浄土ヶ浜(ココも16年振りに来訪)。三陸海岸は、この浜を中心に南は沈降海岸、北は隆起海岸となっている様なのですが、この浄土ヶ浜迄は市内から駐車場迄、車で10分+徒歩10分程です。“徒歩?”という感じでしょうが、浜に最も近い駐車場には奥浄土ヶ浜行の路線バス、乃至は観光バスしか直接行くコトができないため、自分の様な観光客は小鳥達が囀る山道を歩かねば、辿り着くコトができないのです(汗)。実際問題、朝から観光バスが多かったのは事実ですけど、どうも腑に落ちない…かも。

@浄土ヶ浜T

A浄土ヶ浜U

B潮吹穴近く@日出島

 ちなみに、仏教的用語が興味をそそる?この浄土ヶ浜という地名は、天和年間(1681〜1683)に宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖が、「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆し、名付けたのだとか…。【日本各地にある石庭に似た雰囲気】がココには確かにありますからね。。。

 そんな浄土ヶ浜ですが、人間よりもウミネコの方が遥かに多いコトもあってか、島巡り観光船や田老迄の航路に関しても人気があります。御時間が許されるならば、そんなコトを愉しむのも良いかと思います。

 余談ですが…浄土ヶ浜の後は、休暇村陸中宮古がある方向に崎山の潮吹穴があるとのコトで行ってみたものの…波が穏やかであったコトもあり、全然ダメでした(仕方ないので、画像Bの様に日出島だけを撮影)。実際問題、潮を吹いてるときにあまり御目にかかれないため、“ホラ吹き穴”とも呼ばれているのだとか。納得…(;^^)

C〜G:重茂半島(2004/10/24)

 潮吹穴に立ち寄った後、【隣町の田老にある日本一の防波堤でも撮りに行こうか…】とも思いましたが、【せっかく車があるのだから、車を利用しなければ来訪困難な海岸沿いの所に行こう!】という風に気が変わり、宮古の南方面へ方向転換…。岩手県外の人間にとっては、道路マップを見て初めて知ると思われる?重茂(読み:おもえ)半島をドライブしてみるコトにしました。

 ちなみに、この重茂半島に何があるのかと言いますと…月山という宮古市内を一望できる山やトドヶ崎という“本州最東端の岬”があったりするのですが、この岩手県に本州最東端の岬があるコトは意外な事実かもしれませんね。自分自身も、今回この宮古に訪れる迄、千葉県の犬吠崎や青森県・下北半島の尻屋崎辺りが本州最東端だと思っておりましたから…(;^^)

 そんな訳で、月山と本州最東端を目指し、車を走らせ…宮古の2駅南にある津軽石という駅付近から重茂半島へ向かう県道41号線へ入ったのですが…重茂半島の道路は最初の6〜7分位はともかく、殆どが両側共草木に覆われた1〜1.5車線気味の道。それにも関わらず、大きなバスがたまに通る(参考:バスダイヤ)等、擦れ違うのも大変なコトが多々あるのですが、地元の方が運転する?対向車が飛ばす飛ばす…(;^^)。その上、カーブの数の割に、ミラーも多くなく…肝を冷やした場面が何度もありました。

C姉吉地区

D本州最東端碑

Eトドヶ崎T

 …が、それにもメゲず、まずは月山を目指すコトにしてはみたものの、【如何にも途中で引き返すコトができなそうなダート道であった】ため、断念。結局、トドヶ崎だけを目指すコトにした訳なのですが、本州最東端へと続く4Km程の遊歩道の入口がある左上部画像Cの姉吉の港迄は、津軽石から50分前後。自分の予想以上に時間を要しましたが、この姉吉には殆ど民家がナイせいか、海の色は大変綺麗でした。さすがに、コレを見たときには運転の疲れも癒されましたね。。。

 ただ、画像Eの様な東北一の高さ(33.75m)を誇る灯台があるトドヶ崎は、この姉吉からさらに徒歩で3〜40分程。【コレでもかって程に楽しみを引っ張る所】ではありましたが、おそらくココに来訪した誰もが清々しい気持ちになるかと思います。



Fトドヶ崎U

 なぜならば、【ココには太平洋を臨む上で視界を遮るモノが何もナイから】です。手すりさえもありません。さらに、リアス式海岸故、左右の画像FやGの様に断崖には高さもありますし、白亜の灯台が絵になるのです。そんな風景を1人で眺めるコトは、個人的には最高だと思うのですが、如何でしょう?

 ちなみに、姉吉〜トドヶ崎迄の道程に関しては、初っ端のアスファルトの坂道だけは急ですが、それ以後は森の中の勾配も緩やかな土の道です。個人的には、快適でしたけど…!?



Gトドヶ崎V

H〜K:宮古→盛岡(2004/10/24)

 重茂半島から、この日レンタカーの返却先として自分が指定した盛岡迄の最短距離は、宮古を経由し、前日利用した山田線沿いを走る閉伊街道(国道106号線)をひたすら真っ直ぐ行くルートなのですが、折角の機会というコトもあり…この日、朝方に乗車した岩泉線沿いの国道340号線と早坂高原等を通過する小本街道(国道455号線)を経由し、盛岡に向かうコトに致しました。

 ちなみに、茂市から分岐する国道340号線は、岩泉線に沿った形で国道455号線と交わる浅内という所に向かうのですが、2車線道路と言えるのは和井内付近迄の10Km程。ソコから先、浅内迄の20Km以上の道程は【コレが国道?】というレベルの1.5車線以下の道幅(御見せしたい…)。特に、押角駅から峠を上って行く付近に関しては、細かいカーブや対向困難な箇所も多く、大き目の車では気が滅入るコトでしょう…。岩泉線は、そのお陰で【バスによる代替は不可】という判断が下され、未だに廃線とならずにいる様なのですが…(;^^)



H押角峠T

 そんな狭道が向かう先である押角峠に関してですが…やや周囲の木々が眺望を邪魔しますけれども、左右の画像H&Iの通り、付近の紅葉の美しさは本当に見事なモノです。ちなみに、列車の場合は、押角から先、次の岩手大川駅迄はトンネル区間が立て続くので、このV字谷は車を始めとする移動ツールがなければ愉しめない穴場的景色であるのですが、残念ながら…駐車スペースに関しては殆どありません(御参考迄)! 尤も、通行量は少ないので、あまり関係ナイですけどねぇ…(;^^)



I押角峠U



J岩洞湖T




K岩洞湖U

 さて、前述した様な悪道?を延々と走った後、浅内から国道455号線に入った(正確には一部は重複区間)のですが、こちらは打って変わってスピードレースの?道。【やっぱり、キチントした2車線道路は違うなぁ…】と思わずにいられませんでしたが、岩手のドライバーの運転は総じて荒い傾向にありますね。長時間狭道をクネクネ進んだ後に、いきなりペースを変えさせられた?自分には、精神的に少々キツかった…かも。。。

 それでも、早坂高原前後のカーブ道(周辺で同高原を抜けるトンネル建設中故、ココを通る道路が廃道となるのは時間の問題?)等を越えて、浅内から4〜50分程もすれば、玉山村の岩洞湖(左記画像J&K)という人造湖に辿り着くコトができます。地図で見ると分かるかと思うのですが…人造湖のせいか?、非常に歪な形をしておりますが、コレが独特の雰囲気を醸し出しております。

 ちなみに、自分は岩洞湖を見てすぐに、【何処かの風景に似てるな?】と思いました。この日の水かさが大したコトなかったせいか、そして…中央に島と思しき所もあったせいでしょうか。雰囲気がなんとなく北海道の朱鞠内湖に似ているなと…。尤も、岩洞湖周辺を走行する交通量はなかなか多く…朱鞠内とは違い、秘境度に関してはさすがに落ちるのですが、それでも不思議な程、落ち着けた気がします。どことなく哀しげなこの風景は、何かを語っている様な気がして…(;^^)

 尚、この日…早坂高原の紅葉は、残念ながら落葉しておりましたが、ココ、岩洞湖は早坂高原よりは標高が低いせいか、御覧の通り! 紅葉観賞には最適の時期でありました。美しいでしょう?

〜あとがき〜

 如何でしたでしょうか…。個人的には、行きはローカル線を利用しつつ、帰りは自ら運転をしての旅(久々です)という…非常に気持ち良くなれた1泊2日ではありましたが、その一方で…本文にも何回か記載致しました通り、自分の様に、列車とバスをバランス良く利用した旅を実践するコトをポリシーとしている人間にとっては、【北三陸方面は随分と不便になったな…】というのが正直な感想です。自分の記憶との比較で恐縮ではありますが…。また、鉄道に関しても、このまま行くと…大部分の区間が廃止され、北海道の様に地図がガラリと変わってしまうのではないかと思えて仕方ありませんでした。次に三陸方面に来訪する際は、そんなコトも考慮した旅を考えたいと思っております。

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