第16回のテ〜マ:【江の川旅情等】(2004.04.11.) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このとき、自分はこう思いました。【三江線と同じ様に“1日3本”しか全線を乗り通せないが故に、よく比較されているJR只見線の方が只見川の雄大な車窓を愉しむコトが可能な13時台に列車を運行してくれるだけ、“自分の様な旅人にとっては”まだサービスが良いな…】と。。。
おそらく…この調子で行きますと、“現在でさえ、そもそも乗車するコト自体に頭を使わなければいけない様なダイヤ”なのですから、遅かれ早かれ、将来的には、昨年(2003年)の11月末に廃線となってしまった可部線の非電化区間であった可部〜三段峡間の様に【廃線】という憂き目に遭うコトは間違いないでしょう。。。 やや前置きが長くなりましたが、ココからは三江線沿線の様子に関しても、少しずつ触れて行くコトに致しましょう。まず…自分が乗車した際の江津駅における三江線の乗客に関してですが、“意外と多く”12〜3名程おりました。そのうち、4〜5名が地元の御年配の方でしたでしょうか(その他は鉄ちゃん&旅人)。予想通り?“非常に空気密度が高い車内でした”が、定刻通り出発。江津駅を発って程なく、“中国太郎”とも称されているらしい?中国地方随一の大河・江の川に沿う様に進むのですが、最初の風景が下記画像Eです。予想以上に川幅も太く、只見線における只見川の様…。見た瞬間、【おっ、コレは凄い車窓が続くのではないか…】と思いました。
そうこうしているうちに“±5名程の乗降客”があり、1時間30分程の時間をかけて中間の浜原駅(島根県・邑智町)へ到着します。ココから先、浜原〜口羽間が結ばれていなかった時代(三江北線と称されていた)は、この駅が“終着駅”だった様ですが、街の中心部としては1駅手前の粕淵駅の様で(下記画像Gに映っている列車は浜原始発・江津行ですが、乗客は誰1人いませんでしたねぇ…^-^;)、学校以外は本当に何もなさそうです。。。 さて、この浜原では、【時刻表上では、到着してすぐに発車するはず】なのですが…何分間か停車しました。理由は乗客のトイレ休憩です(苦笑)。実は、“全線走破時には3時間強もかかる路線でありながら、線内を走行するレールバスチックな車両全てにトイレ設備が存在しない”のです。
少々の遅れを取り戻すべく、列車は先へ先へと進みます…。浜原から先、口羽迄(29.6Km)は国鉄が最後の最後に建設した路線の1つであるせいか、トンネル区間もやや多くなりますが、江の川沿いの車窓に関しては“遅蒔きながら変化にも富んで来るので、個人的には線内の車窓ではオススメの区間”であったりします。ただ、速度も1.5倍程速くなる(60→80Km)ので、画像として収めるのは非常に大変な作業となりますが…(;^^) ちなみに、この区間には特徴的な駅が幾つかあります。1つは潮駅(上記画像H)。ホームから見える江の川の景色が美しく、春よりも紅葉の時期の方が良さそうです。例えるならば、【只見線でいう会津川口駅の様な雰囲気】がココにはあります。尚、駅から徒歩圏内でこんな景色を堪能するコトができる?温泉もある模様…。 もう1つは宇都井駅。上記画像Jはホームがある所から撮った景色なのですが、画像のアングルが他と違いますよね…。実は、この駅は地上から高さ30mの所にあるのです。例えるならば、【山陰本線でいう餘部鉄橋の様な所の上に駅がある】という感じでしょうか(宇都井の場合は、海は見えませんけれど)。特徴的なロケーションの駅であるせいか?、ファンも多い様で、そういえば…2駅先の口羽駅の名所案内にもこの駅のコトが【当駅から7Km】という感じで記されておりました…(;^^) 余談ですが、自分が乗車していた列車の乗客の中にも、宇都井駅で1名だけ下車している方がおりました。温泉がある潮駅であればともかく…何もなさそうな宇都井駅では、さすがの自分も途中下車する無謀さはありません。。。 しかし…たとえ三江線といえども、この自分が全く下車せずに終点三次迄行くツモリもなく…。口羽から2駅先の作木口という小さな駅で途中下車するコトに致しました(江津からの所要時間は2時間強)。三江線を調べている際に発見したのですが、作木口駅から徒歩圏内の所に日本百選の滝(常清滝)があるからです。自分が乗車していた列車は作木口駅には17時15分過ぎに着きましたが、まだ陽が微妙に出ており、【自分の脚力を信じて、一か八かで見に行こうか】と…。ちなみに、駅の案内では常清滝迄は徒歩35分。それならば、【自分ならば、30分で可能だろう】という手応えでした。 そういう訳で、駅前の橋を渡り、国道375号線を北に歩き、1つ目の信号の所に案内があるコトは列車から確認できたので、撮影に関してはとにかく時間との勝負でした。すると…意外なコトに、10分程歩いた所で、早くも滝上部らしきモノが確認するコトができました。【高さがある滝なんだ…】と思い、気持ちを高揚させながら歩くものの、旧作木村役場の裏にある遊歩道の入口(下記画像M)から滝迄は意外と距離があり…結局、駅から30分強かかりました。普通の方なら、4〜50分圏内といった所でしょうか。。。
さて、そんなこんなで…ようやく辿り着いた訳なのですが、目の当たりにしたとき、俺…さすがにビックリしました。“想像以上の高さ”でしたよ…。間近で見た際に高さに関して度肝を抜かされたのは、北海道で羽衣の滝を見たとき以来でしょうか。 ちなみに、滝の雰囲気は上部、左下部2枚の画像の通りで、高さは126m(→羽衣の滝は常清滝の約2倍の高さ有)。大まかに3段に分かれている瀑水は、上から荒波(36m)、白糸(69m)、玉水(21m)と呼ぶそうです。この日は、午前中に降雨がありましたが、それでも御覧の通りの水量ですので、水量が豊富なタイプの滝ではありませんが、【“女性的な美しさ”は十分感じるコトができる滝】と言えましょうか。大雨が降った翌日等は、特に面白い写真が撮れるかもしれませんね! あと、予想の範囲でしかありませんが…この常清滝は、三次の市街地からかなり離れた所にあるので、観光しに来る人もそう多くはナイと思われます(「まむし注意」の看板もあるし…)。そういう訳で、個人的には観瀑台から心行く迄、滝を堪能するには最高の穴場だと思います。また冬季に関しても、地域が地域のせいか、凍結するコトもあるそうですし…1度で良いから、その姿を見てみたいものです。。。
常清滝から口羽駅(島根県・羽須美村)前迄、バスで移動致しましたが…バスの車内から眺める江の川もなかなか良かったです。乗車しているだけで旅になる様な…そんな雰囲気が好きでした。然しながら…三次側で三江線を利用した旅でできるコトは、列車&バスの便数を鑑みると、これ位が限界かもしれませんね。。。 さて、江平ではなく、口羽迄戻って来た理由に関してですが、「寒くなって来たし、待合室がある駅の方が川が真下にある駅よりかは少しはマシかな?」という単純な理由だったのですが、肝心の待合室の電灯が点きません…(>_<)。そんな中で1人で列車を待つのはさすがに気味が悪いので、散策してみたら…“三江南線”と称されていた時代はこの口羽が終着駅であったせいか、上記画像Rの様な“全通記念碑”がありました。ちなみに、三江線が全通したのは昭和50年8月31日だそうです。自分が生まれる1年チョット前みたいなのですが、“ヤケに老けている”といいますか…今を思うと、【このときの皆の思いはドコに行ってしまったのやら…】という印象を受けずにはいられませんでした。 そうこうしているうちに、19時台の“最終列車”がヤケに早くやって来ました。口羽では6分程の時間調整を行っておりましたが…例のトイレ休憩関連も含まれているのでしょう。ちなみに、【乗客は前の列車で宇都井で果敢にも途中下車した1名だけかなぁ…】と思いきや、他に2名“も”おりました。でも…自分と同じ旅人でした(苦笑)。結局、そんな路線なのでしょう。終点の三次迄…予想通り、乗降客は全くなく、自分含めて4名のままで上記画像Sに映っている車両はこの日の任務を終えました。なぜか分かりませんが、最終列車がとても切なく感じられました。。。 21〜24:三次(2004/04/04)
さて、ココからは“三江線に乗車した翌日”です。上記に記載した通り、三次の街です。四方を山に囲まれ、西城川、馬洗川という2つの川も江の川(可愛川)となるこの街には、そんな地形が織り成す美しい景色があります。【今回は時季ではないので、残念ながら撮れませんでした…】という感じですが、秋口や早春の早朝にかけては、標高が高い所からであれば、幻想的な“川霧の海”を見ることができます。そんな訳で、三次はよく“霧の街”と称されるのですが…自分が訪れたこの時季は“桜の街”となります。 駅から徒歩で30分位でしょうか(三江線なら1駅)。尾関山公園という桜の名所があります。この日は、偶然にも“三次さくら祭”が開催されていたため、大変賑っておりました…が、肝心の桜の方は、【全体的には3〜4日早かったかなぁ…】という感じでした…(;^^)。それでも、咲いている桜自体は上記を御覧の通り。とても綺麗でしたよ。画像22は展望台からのモノですが、江の川沿いの景色と併せて撮ったせいか、“美しさ”が増している気がします。ちなみに、画像24は偶然にも三次市の“さくら祭のポスター”のアングルを意識した様なモノとなりましたが、尾関山公園がチョット遠過ぎた…。あのポスターは絶対に“合成写真”に間違いない…(苦笑) 〜あとがき〜 三江線の旅情は如何でしたでしょうか。列車の旅が好きな方は、よくこの三江線をオススメされる方がおられますが…個人的には、この程度の本数しかナイ上に、“窓を開けるコトができない車両しか走らない路線”では、その高い評価に対して、いささか疑問も感じました。車窓に関しても、同じ中国地方で言いますと…可部線の可部〜三段峡間(廃線)の方が良かった気がします。そんな訳で、ワザワザ無理して乗車しに行く迄もナイ路線の様な気も致しますが、前述した様な車窓を“半ば貸切列車の様な状態で愉しむコトができる路線が、全国を通じてもそう多くはないコトもまた事実”であるので、今後も不思議な魅力?の1つ1つが訪れる旅人の心を潤し続ける様な気が致します…(;^^) ちなみに、“江の川沿いの桜並木”は本当に綺麗です。宜しければ、次回の?春の旅先の候補に入れてみては如何でしょうか。自分の場合は、今度三次に行く機会があれば、“霧の海”が目的となりましょうけど…(;^^)。以上にて、“江の川旅情”というか…2004年度の桜紀行?を終了致します。 |