第13回のテ〜マ:【North Island's StoryU-4】(2003.9.27.)


★焼尻島&天売島 (7/30〜31)

@焼尻島

A焼尻島的風景

B天売島

C天売島的風景



D高速船@さんらいなぁ

旅程:羽幌焼尻島天売島→羽幌

 ・船舶による移動
 ・自転車 or 徒歩 or タクシー等による観光
 ・羽幌⇔焼尻…高速船:約35分
 ・羽幌⇔天売…高速船:約1時間

  注1:フェリー所要時間は上記の約1.5〜2倍です。
  注2:船便の数は7〜8月を除き、1〜3本/日です。



E島部に咲く花

 この日から約1.5日間は、日本海を渡り…暑寒別天売焼尻国定公園内に帰属する焼尻(読み:やぎしり)、天売(読み:てうり)の両離島を観光してみるコトにしました(本年の北海道旅行の旅程において、優先度は↑1番高↑)。

 その前に、この両島の存在を…皆さんは御存知ですか? 奥尻利尻礼文の離島は御存知でも…という感じではないでしょうか? 旅行会社に勤務されている方でも、両島を正確に読めない方がおりますから(笑)。それもそのはず…この両島の面積は、前述した3島とは比べ物にならない程に小さく、全国地図では豆粒程の大きさとなりますし、島内で車を利用すれば、島1周は30分もあれば余裕でできる両島ですからね。さらに…アクセスも羽幌からの船便のみ(但し、高速船有)。羽幌自体のロケーションも、現在は駅が失われたため、鉄道の駅(留萌、幌延)から大変離れており、旅行者にとっては、非常に不便。旅程に取り込むにも…ある程度の下調べ、乃至はその他旅程との調整が必要となるが故に、自称・北海道好きの方でも大部分の方が上陸を断念してしまっているのではないかと思われます。。。

 そんな両島であるため、海現在でも冬季の観光となると厳しいコトこの上ナイ様です。島の半分は、通行止(海風に飛ばされて崖から落ちますから)。さらに、船便の欠航も多発。今でこそ、両島でも車は走っておりますが、【車が少ない時代(小さい頃)は、港で降ろされた重い荷物を犬がソリを引いて、大貢献していた時代もあった】と、年配の方から話を聞いております。まるで、映画・南極物語的な世界です。

 しかし、こんな環境であるが故に、内地では考えられない様な自然が残っていたりします。離島大好きの自分にとっては、最高の時間を満喫するコトができました。そういう訳で、本頁の画像を御覧になれば分かるとは思いますが、その方だけに、非常に地味な形ではありますが(苦笑)、強力プッシュ致します。【夏季に北海道へ行かれる際は絶対にこの両島を入れて下さい。入れないと、後々…確実に損をしますよ!】。あくまで、私感ですけどねぇ…(;^^)

〜A. 焼尻島〜

 まずは、焼尻島の概要でも。焼尻島は、羽幌町の沖合約23Kmに浮かぶ東西約4Km、最大幅2Kmの島で…本頁上部の画像の通り、【海上から見ると、比較的平坦な島】です。そんな島の人口ですが…最盛期とは比べ物にならない程に落ち込んでおり、現在ではとうとう400人を切ってしまい、島民が【島全体が老人ホーム】と言う位の過疎地状態となっております。本21世紀中には、羊や海鳥のための島(所謂、無人島)となってしまうのかもしれません。。。

 そんな島を、天気が悪かったコトもあり…まずタクシーで1周(約1時間:1300円)したのですが、コレが面白い。【何もかもを知ってもらいたい!】という気持ちが非常に良く伝わる…全国でも指折りの?ハートウォーミングなツアーなのです。ちなみに、コースは…【港→オンコ林→鷹の巣→白浜付近→工兵衛街道記念碑付近→ヤマサ食堂→港】。主要地だけとなると、こうなりますが…実は、ゲートボール場から、小・中学校迄もが観光コースに入っております(笑)。あっ、車内での一部始終も、チョットだけ箇条書きしましょうか…。

 ・港前の水洗トイレは4000万円かけて作ったから、使ってねぇ〜(→ウソぉ)
 ・ココが焼尻の高速道路なんだよぉ〜(→所謂:高所道路)
 ・ココが焼尻の“田園調布”なんだよぉ〜(→所謂:家が多い所)
 ・この家は札幌から嫁さんを貰うという“宝くじ当てるよりも難しいコト”をしたのよぉ〜(→東京だと…総理大臣?)
 ・結婚式がオリンピックみたいなイベントって所かねぇ〜(→まぁ、そうでしょう。そんな雰囲気好きです!)
 ・ココが焼尻の“すすきの”。でも、ママさん70歳。さすがに数年前に閉店…(→ママさんに敬服!)
 ・焼尻にも小学校の前だけには信号があるんだよぉ〜(→車はタクシーが主)
 ・焼尻が無人島になったら、罪人達が犯した罪を償う場所にすれば良いと思うんだよねぇ〜。
  この景色を毎日見ていれば、絶対に変わるよ。夏はウニが取れるしなぁ…。

 …伝わりましたでしょうか(笑)。本当にこんな調子でツアーが続きます。運転士さんの喋りのテンポは抜群ですし、例えもあまりに巧妙。聞いているだけでも、楽しいと思いますよ!

 ただ、このツアーを繰り返しても仕方がないので、天売へ行く船が出港する迄の約5時間を、あいにくの雨天ではありましたが、タクシー乗車中になんとなく覚えた土地勘を頼りに、自分は焼尻らしい風景を求め、1人で島内を廻ってみるコトにしました。。。

 早速ですが、下記にも撮って来たモノを並べてみましょうか。う〜ん、こう並べてみると…美しさの中に憂いが感じられるモノが多いですね。前述した様な話を書かない方が良かったのかもしれませんが、この島の現実でもあり、一方で自然溢れる島となった一因でもあるのは間違いなく、この伝達義務に関しては自分の様な人間の使命だと思いますので、どうかご容赦頂ければと思います。

@焼尻港にて

A町営牧場にて

Bオンコの荘T

Cオンコの荘U

 さて、焼尻といえば…画像Aの様な羊(肉用種のサフォーク) or 同B〜Dの様なオンコ(イチイ)原生林という感じなのですが、まずは前者の方からサラサラと。実は、焼尻に大きく広がっている牧場ですが…元々は、畑だった様です。そんな所を、羽幌町が町営牧場にガラリと変えてしまったのです。そうしたら…実は、潮風の中で育った牧草にはミネラルがイッパイ含まれる様で、羊の成育に好影響を与えたのです。それが実証されてからは、“スコットランド風”とも称される風景が島名物となって来た様なのですが、本当に絵になりますね? 牧場がある付近は民家は全くなく、空気も綺麗で、本当に静かな所なので、気持ち良いですよ。ちなみに、大規模な牧場はあるものの、島内で日中に焼尻の羊肉を食せる所は1件しかありませんので、御注意を…(;^^)



Dオンコの荘V




F白浜海水浴場にて




H牧場より天売島を望む

 次に、オンコ原生林に関してですが、こちらは天然記念物であるため、さすがに徒歩でないと奥には入れませんが、ココまでキチント残って来たのにも理由がありそうです。実は、この林の中には古木があります。その周辺には【島の王が住んでいる】と言われていたにも関わらず、その木を伐りに行った者がいた様なのですが、その者は…【伐った木の下敷きになった】と言われております。それ故に、オンコ林は未だに神々しい所であり続けている訳です。余談ですが、牧場とのコントラストも良いんですよ!

鷹ノ巣園地付近より南海岸線

 話は変わりますが、日本の歴史の変化にも、焼尻は密かに貢献しております。【黒船来襲の際、英語を話したんだ…】という疑問を持っている方もおられるかとは思いますが、実は米国捕鯨船の船員ラナルド・マグドナルドという人がココ焼尻に漂流した様なのですが、なんとこの方が教えた英語がその交渉に役立った様なのです。意外な歴史でしょう? 自分も来訪して、初めて知りました。。。(;^^)

 最後に、昼食に関しては、前述したヤマサ食堂にて食しました。【夏季は日照時間が長いというコトでウニが美味しい時期】らしく、ウニ丼を食しました。とても美味しかったです♪ ちなみに、ヤマサ食堂はウニギリ(ウニ+オニギリの造語)で有名な様ですが、【ウニを食するなら“丼の方がオススメ”】とお店の方は言っておられましたよ!

 以上、俺・にゅうによる焼尻レポートでした!



Eマクドナルド上陸記念




G白亜灯台




I焼尻郷土館@旧小納家

〜B. 天売島〜

 焼尻島を自分なりに一通り観光した後、今度は隣の…“海鳥の島”とよく称される天売島へ渡りました! 計画では、30日の残りと31日の半日を観光する予定でしたが…あいにく、31日は朝から11時頃まで雨にたたられたため、31日は全く観光しておりません。港のとある御土産屋さんのお婆ちゃんと長話しておりました。。。(;^^)

 さて、こちらも概要から順に書いて行きましょうか。天売島は、前述した焼尻島の西方約3.7Kmにあり、長さ約4Km、幅約1.6Km、周囲12Kmの島で…本頁上部の画像の通り、【民家が立ち並ぶ地域よりも遥か高い所もあり(その地域には住民はおりません)、旅人であれば、平坦な島という印象を抱くことはナイ】と思われます。そんな島の人口ですが…こちらも最盛期とは比べ物にならない程に落ち込んでおり、現在ではとうとう4〜500人の間位とか。。。

 しかし、焼尻と決定的に違うのは、商店が2〜3件(⇒内地でいうコンビニみたいなモノ)も立ち並ぶ地区があるというコトでしょうか。ある程度の品も購入できますし、一応留萌管内のため、例えば前述した国稀酒造の限定銘柄の日本酒までもが入手可能です。【島内からオロロン鳥(ウミガラス)がまず見るコトができなくなった様に、昔とはこの島も違うのだし、島だから…という風にしててはマズイのではないか?】という様な意識が年配の方にも強く、島内の子供達を喜ばせたくて、あれこれと努力している様です。数年前?からは、ソフトクリームを食するコトや焼肉をお店で食するコトが可能となった模様ですが、【内地の人にとって当たり前のコトの一部は、未だに贅沢なコトというのが現実…】と言えましょう。。。

 そんな島を、“日中は”自転車で廻ってみるコトにしてみました…。ちなみに、自転車による島1周であろうとも、2〜3時間程度で終了します。

≪追記≫
 ココを読まれた方のみアドバイスしておきますが、天売島は離島です。赤岩周辺(特に、黒崎海岸〜赤岩)等をはじめ、アップダウンが非常に厳しく、ある意味で、ジェットコースターの様…(∴雨天の観光は地獄)。それ故、天売港から赤岩展望台迄は実は40〜50分もかかります。尚、自転車の賃貸料は融通が利きます(PM+翌AMは、当然1日として計算します)ので、そのあたりのコトまで考慮して借りた方が無難かと思われます。

@海鳥飛び交う天売港

A赤岩展望台にてT

B赤岩展望台にてU

C海鳥観察舎付近より

 日本海側らしい、とても豪快な海岸線(さらに、画像↑A↑の通り、水の透明度も抜群★)…そして、海鳥の鳴き声が止まない環境…。これらを天売島の“表風景”とするならば、左下画像Eの様な風景は天売島の“裏風景”となりましょう。非常に対称的なこれらの風景美…。俺・にゅうの中では、このコントラストにとても胸打たれるモノがあり、【久々に、総合的な雰囲気に魅せられた】という気がしました。。。

 ところで、↑画像Cや↓画像Dの海岸線を見ながら、海鳥達の愉しそうな様子を見るコトだけに時間をタ〜ップリと使うコトって、こんなにも良いモノなのか…と思う人って自分だけでしょうか? 自分はそうは思わないんですよ。むしろ、人間って…【本当はこういう環境下に置かれたいのが本音ではないのかな?】とさえ思うのです。ただ、このとき自分が感じた様に…【空を飛べない人間であるコトに対して、悔しさも感じる】でしょうけれども。心から癒される風景を目の当たりにすると、永遠の夢というか…欲望が募りますね。【忘れていたコトを思い出した】という感じでした。



D観音崎展望台にて



E灯台を望む…

 …そのせいか、島を離れてから、個人的には…【天売島は、現段階における日本三大絶景(その他は隠岐と只見線車窓)の1つとなった】様な気がします。

 ちなみに、これらの海岸線は…天売港より発車している観光船で眺めるコトができるのですが、上から眺めた方が迫力を味わえると思われます(乗船していないので、比較する自体、間違っているかもしれませんが…)。特に、【天売島のシンボル】である高さ38mある赤岩の展望台に関しては、展望台の足元の木の板が破れたら、海に落ちる所に作られておりますから。とにかく怖いの なんのって…(;^^)。でも、それを癒すのが海鳥の鳴き声であったりするのです。【もっとこっちにおいでよ!】と言われている様な、そんな…。そうしたら、【赤岩が見えた…】みたいな。不思議でしょう? この島に来ると、誰もが 日本野鳥の会に入りたくなります(違?)

 次に、初夏の夜の観光ツアーに関してでも…。これは夕食後(19時過ぎ)に行われるモノで、島内のどこかに宿泊していれば参加するコトが可能なツアー(参加希望者が1人でもいる宿にバスが立ち寄る)であったりするのですが…行き先は赤岩展望台。何を愉しむのかと言いますと、ココで、早朝〜夕方にかけて海辺で愉しんでいるウトウ(ウミスズメ科:参考)達が帰巣するシ〜ンです。

 でも、コレが迫力あるのです。群れを成して、帰巣地に向かっているシーンを捉えたのが左下の画像F。この画像内だけでも、30匹位は飛び交っていると思うのですが、ウトウは飛翔スピードが驚く程速いので、これ程集まったのは、我ながら…【マグレ】という感じです…(;^^)。ちなみに、こんな様子は、なんと1時間前後も続くのです。内地では、まず観られない光景と言えましょう!



F夜の赤岩灯台

 そして、帰巣直前というシーンが右記の画像G。土色の中でも、濃い部分と薄い部分があると思うのですが、薄い部分がウトウの巣穴です。崖の草地に巣穴を作るのがウトウの習性です。ちなみに、運が良ければ、魚を加えて戻って来て、雛にその餌をやる…なんてシーンも見るコトができます! ただ、ウトウの天敵は天売周辺にヤマホド生息しているウミネコであるので、かなり確率は低いのですが…(>_<)

 尚、こんなウトウの帰巣シーンをこの天売で見るコトができるのは、5月頃〜7月中旬頃迄とか。本年における最後の最後でしょうか…!? ラッキーでしたっ♪



Gウトウ



7000円でこの夕食!

 ★宿泊地:萬屋旅館
 夕食は左記画像の通り(食欲抜群で、チョット食べてしまいましたが…^^;)。全国各地を宿泊して来た俺・にゅうも、さすがにブッたまげました。“ドッキリ”かと思って、念のために確認したら、これが1泊2日7000円時の夕食だとか。。。

 ちなみに、ココの宿泊代は【6000円〜10000円迄の選択制】なのですが、いつかは…【1泊2日を10000円で頼んでみたいモノ】です。とにかく、全国各地を探しても、7000円でココまで奮発してくれる宿はまずナイですから、期待が膨らみます。まさに夢の様な島生活でした。超オススメ! 毎年行こうかなぁ…^^;

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