第19回のテ〜マ:【紀伊旅情 2】(2005.06.21.)


@〜G:瀞峡(2004/12/31)

 熊野本宮から、「国内有数の歴史を持つ温泉のどこか(川湯渡瀬湯の峰)にでも立ち寄ろうかなぁ…」とも思いましたが、前頁の通り、山間部に行けば行く程、あまりに酷い天気で非常に寒かったコトもあり、湯冷めしたくなく…志古というバス停にて下車するコトに致しました(新宮駅からバスで35分程/本宮からバスで25〜45分程)。

@ジェット船

 実は、この志古には瀞峡という熊野川の支流である北山川沿いの渓谷美を観賞する左記画像@の様なウォータージェット船の乗船場があるのですが、乗車していたバスの客に「こんな日に志古で降りる人いてる訳ないよなぁ?」という風に言われながらの下車でありました。

 …でも、よく考えてみて下さい。雨天時で寒いときは船に乗った方が暖かいですし、ノンビリできます。あと、行きのバスの運転士さんに「コレはあと2時間以内に雨は止むよ…」とも言われておりました。密かに心の中では、【バカはうるせぇんだよ!】って感じで?、「1つでも多くの素敵な風景を観たいっ!」という気持ちでイッパイでした。

 然しながら、天気が天気のせいか?、はたまた大晦日のせいか?、ジェット船に乗船したのは、その昔訪れたコトがあり、今回がそれ以来の再訪だと言う中年の夫妻と自分だけ…。【たった3名という、ほぼ貸切状態】にて、1時間55分の船旅(含:休憩時間20分)となりました。

A亀岩

B吊橋

C堕落岩付近

D母子の滝

E獅子岩

 さて…船に関しては、北山川のエメラルドグリーンの美しい水面(→各画像の通りですが、コレでもイマヒトツらしい)や水際で遊んでいる鳥達を眺めながら、30分以上も遡ります。

 実は、ソコからが瀞峡と呼ばれている北山川の中流域。船の天井の窓をスライドさせ、開放的な雰囲気で渓谷を観賞するコトになるのですが(※冬季は希望者がいれば)、この船旅では下流から下瀞、上瀞、奥瀞という3箇所で構成されている瀞峡のうち、A〜Cの下瀞とD以降の上瀞の一部を愉しむコトができます。

Fこま犬岩

G折り返し地点

 ちなみに、これらの各画像が撮影できるポイント地点においては、船は必ずスピードダウンします。ユッタリと流れて行く渓谷美には、本当に心洗れます…。何といっても、この北山川流域には未だに日本唯一の飛地の村もあるなど、依然として、上記画像Bの様な吊橋が多い地域。自然のスケールの大きさを十二分に体感できるのですが、一方でこの船旅…実は下流と上流の往復。あまりに長い船移動には、ややマッタリ感が残る点は否めないかもしれません。睡眠時間込でどうぞ…(;^^)

 最後になってしまいましたが、今回廻るコトができなかった奥瀞は春季〜夏季の土日等であれば、筏下りにて愉しむコトができます。1度で良いから、爽快な体験をしてみたいですし、こちらの方が面白そうです…。

H〜O:大台ヶ原(2003/11/02)

 瀞峡の次に行った訳ではありませんけれども、奈良県と三重県の県境にある…吉野熊野国立公園・日本百名山に数えられる大台ヶ原に関しても、この際に?触れておこうと思います。実は、瀞峡を流れる北山川はこの大台ヶ原を源としており…関係も深いですからね。。。

H大蛇ーよりT

 さて、大台ヶ原と言えば…地理で習うかとは思いますが、【日本一の雨量を誇る地域】であります。一説によると、年間降水量は5000oと言われておりますが、その通り、自分が訪れたこの日も…左記Hの様な画像も撮っておりながら、この後…突然天気が変わり、大雨に見舞われました…(>_<)

 そんな感じで?、大台ヶ原では人々を容易には寄せ付けない自然の凄みの様なモノが感じるコトができます。

I神武天皇像

 …ただ、アクセスは容易ではありません。自分はこの前日…八木で泊まったので、奈良県側から入ったのですが、春は桜で有名な吉野の2駅手前で、あべの橋から特急に乗車しても所要時間1時間10分程という上市駅がその玄関口。大台ヶ原に行くには、さらにソコから4月末〜11月末迄の季節運行バス(参考:バスダイヤ)で、1時間40分程の所要時間…。バスは座席数分の整理券が配られる朝の便しかありませんが、上市で下車した方は複数台出してでも、皆行かせてくれるはずです。

J正木峠付近

 ちなみに、このバス路線の車窓は非常にノドカで、山間部の風景はとにかく素晴らしい…という一言に尽きます。こと自分は、紅葉の時期に行ったので尚更ではあったのかもしれませんが、おそらく…【本州はおろか、国内でも指折りのモノ】かもしれません。特に忘れられないのが、国道169号線から分かれ、大台ヶ原に登って行く箇所の車窓…あれに関しては、逆行にも強いカメラであれば、是非とも収めたかった…。さすがに、アレだけは今でも心残りです…(>_<)

 尚、大台ヶ原から再び上市に戻る場合は、現地で整理券を入手する必要があるため、コレに関しては注意が必要です。御参考迄。

K日出ヶ岳山頂

L鹿@小さいけど

M正木ヶ原付近

N大蛇ーよりU

 さて、大台ヶ原のバス停に到着してからは…日出ヶ岳、正木ヶ原、大蛇ー(読み:だいじゃぐら)等を廻れる…王道の?東大台ハイキングコースを歩いてみるコトにしました…が、普段から歩き慣れているせいか、非常に物足りないコースでした…(;^^)。最初の日出ヶ岳に関しても、容易に辿り着け過ぎて、ココ迄楽してしまうと…全く感動がありませんでした。ちなみに、日出ヶ岳からは天気が良ければ富士山も見えるときもあるのだとか。距離も距離なので、疑わしい気がしますけど…。

 日出ヶ岳から大蛇ーを目指すのですが、その途中で見られる景色が画像Mの正木ヶ原。元々は原生林だった様ですが、昭和34年の伊勢湾台風にてかなりの木が倒れ、苔がなくなり、その後…野生の鹿が周りに生えた笹等を食してしまい、この様になってしまったそうです。物哀しげな雰囲気に、ツイツイ足を止めてしまいます。

Oココを下ると…!?

 その一方で…上市駅から観て来た景色と対のモノを見たせいか、【来た所、間違えたかなぁ…】という感じで大台ヶ原の見所の1つである画像H&Nの大蛇ーに向かうコトになってしまったのですが…ココは期待通り。紅葉を絶壁から見たのは初めてかもしれませんが、目の前に映る景観がとにかく素晴らしい。ちなみに、ココには手摺りはありますが、如何にも全幅の信頼が置けない様な雰囲気があり(苦笑)、足が竦みました…(;^^)。尚、この大蛇ーからは日本百選の滝にも指定されている中の滝もなんとか臨むコトができます。

 ちなみに、中の滝をはじめ、周辺の滝を間近で見るには、左記画像Oの下流等へ行かなければならないのですが、ハイキングコースを外れた滝見尾根(参考:イメージ)を行く…沢登り経験がナイと苦しい所の様です。さすがに、自分と言えども経験がなく、断念…(>_<)

 最後になりましたが、三重県側からでも大台ヶ原に入るコトは可能です。その場合は、紀勢本線の三瀬谷駅からバスで宮川村の大杉へ(参考:バスダイヤ)。大杉谷は、雨量が多いせいか?、日本屈指の峡谷と言われ、途中迄は観光船が出ていたり、数多くの滝があって素晴らしいので、個人的にはいつかは行ってみたい所の1つです。ただ、奈良県側から三重県側に下る際にスリップして死者も出る程の道だとか…。そんな道、歩いてみたいし、見てもみたい…かも。。。

 ※次頁では、新宮や熊野灘を取り上げます!

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