第12回のテ〜マ:【みちのく旅情 4】(2003.06.22.)


@〜M十二湖&日本キャニオン

 弘前から約3時間かけて、十二湖駅までやって来ました。目的は、当然…駅名の“十二湖”と…あと“日本キャニオン”の観光! 以前から、五能線沿線を廻りたくて、たま〜にネットで調べていたのですが、そのときから【五能線を利用した際には、この周辺は絶対に廻る!】と、個人的には心の中で決めていたのです。ハイ。。。

 さて、この十二湖…【1つの大きな湖】という訳ではありません。誕生の原因については、宝永元(1704)年4月の大地震による、大規模な山崩れで、堰止められて、湖が多数形成されたからだとか…。これにより、白神山地西部には大小33の湖沼(池)ができたのですが、その【総称が十二湖】という訳なのであります。ココで、【なんでね、33もあるのに、12まで減っているんだよぉ〜!!】と感じられる方もおられるコトでしょう。実は、この“12”は【湖沼の中央東端にある大崩山(940m)から見ると、12の湖が見えるから…】という説と、【面積が1平方キロメートル以上の湖沼が12あるから…】という説がある(前者が有力!)のですが、これらの何れかがその由来だからだそうです。

 ちなみに、この十二湖…列車によるアクセスに関しては、冒頭にも書いた通り、結構厄介な所です。実は、ココから18Kmも南の岩館まで行かないと、次の五能線の上り各駅停車が発車するまで、なんと4時間(12:29→16:14)も空いてしまうのです。さらに、十二湖駅より1駅深浦寄りの陸奥岩崎駅から十二湖駅を経由し、青池近くの奥十二湖駐車場(鶏頭場の池の目の前)へ向う路線バスが1日5本ある(4月下旬〜11月上旬運行)のですが、コレも曲者なのです。実は、ほぼ全ダイヤが“リゾートしらかみ”を考慮した運行形態であるため、五能線の各駅停車への接続が非常に悪く、今回の自分のケースですと、なんと50分も駅で待ち止めを食うのです…(;−−)。その救いかどうかまでは分かりませんが、一応…この路線バスは、急斜面等以外であれば、自分の好きな所から乗車できる【自由乗降バス】とはなっておりますが…。

 こう書くと、【十二湖へは“リゾートしらかみ”で行くか…】という感じになるのかもしれませんが、実はこれにも穴があります。例えば、“リゾートしらかみ3号”のウリである蜃気楼ダイヤ(途中下車しても、乗車した列車がお迎えしに来てくれる)と呼ばれるモノを利用しても、滞在時間はたったの1時間40分(バス利用時間を含めると、1時間前後)。青池周辺か、日本キャニオンの何れかしか観光できないのです。車も含めて、日帰り観光はとにかく厄介で、ある程度の割り切りが必要となります。。。

 結局、色々と書きましたが…“十二湖観光”は、たとえ歩く距離が増えたとしても、あまりあくせくするコトはナイであろう各駅停車を絡めた観光が個人的には1番オススメという気がします。

@県道280号線沿い

A七曲峠手前から

B八景の池T

C八景の池U

 前述した通り、バスのダイヤ等のコトは、十分承知しておりました。そういう訳で、駅に留まっていても仕方がないので、自分は県道280号線を徒歩で行けるトコまで行ってみるコトにしました…(;−−)。ちなみに、この県道280号線…歩いてみれば分かるコトなのですが、途中、民家は1軒もありません。目の前に映るモノは、緑にイッパイ覆われた川と断崖です(画像@)。歩けば歩く程、【来るトコまで来たなぁ…】という感じになって来るのですが、駅から徒歩20〜25分位でしょうか。七曲峠手前の画像Aの様な所(十二湖駅の次のバス停)に着きます。中央奥が、【日本キャニオン】と呼ばれているのですが、緑を混ぜると…“ココは絵画の世界か?”の様な素敵な所があります。さらに、ソコから徒歩10分位の距離であったでしょうか。【これから見る池も、おそらく相当素敵な雰囲気があるんだろうなぁ…】と予感させる八景の池(画像B)に着きます。ココの桜に関しては、GWなのに画像Cの通り、まだ咲き始めでした。冬季の厳しさは、相当なモノなのでしょう。。。

 ちなみに、この池畔に末丸旅館(人が良さそうなお母さんがいます)があるせいか、ココではボート遊びもできます(紅葉の時期は、最高でしょう)。また、日本キャニオンへの遊歩道もあるのですが、ココからですと…やや急な上り斜面が続きますので、それなりの覚悟が必要です。。。

D王池 From Bus

E越口の池 From Bus

F鶏頭場の池

G青池

 十二湖駅から八景の池まで、意外と距離があったので、さすがにココから終点の青池方面へはバスで10分程、移動するコトに致しました…(;^^)。ちなみに、バス乗車中は、進行方向の左側の座席を確保して下さい。画像D&Eをはじめ、大小幾つかの池を見るコトができるのですが、全て左側なのです!

 しかし、画像Fも含めて、この豊富な緑を映す“水面の美しさ”というか、其々の池自体の“包み込む様な雰囲気”というか…前日、心から感動した十和田湖とは、また別の趣がこの十二湖にはありましたね。なんて言えば良いのでしょう…。【池畔で大空や対岸を眺めたりして、物思いに耽っている間に、心が洗われている…】なんてコトが実際にありそうな、“宗教的な世界”というか…。そんな目的で紅葉の時期の平日に来れたら、非常に贅沢な気がします。。。

 ちなみに、観光ガイド等によく掲載されている青池は、上記画像Gの通りです。この日の様に曇ってしまった場合は、太陽光が微量となるため、水面はあんな光り輝くブルーにはなりませんが、それでも…間近で見ると、色の違いは歴然としております。かなり強烈なので、忘れられませんよ。自分の瞼の裏には、キチント焼き付いております!

 ただ、青池は車で乗り入れやすい(駐車場から近い)所にあるせいか…今年のGWは観光客が非常に多く、池の神秘度は【水の色程ではなかったなぁ…】という感じでした。むしろ…池の神秘度の比較だけであれば、自分が昨夏に行った、【摩周湖近くの神子池の方が断然上】でしょう。ソコだけは、非常に残念でした。。。

H沸壺の池T

I沸壺の池U

J通りがかりに…

K日暮の池



L日本キャニオンT







M日本キャニオンU

 14時前には、青池観光が終了しておりましたが、次の列車が発車するまでに、まだ“2時間”もありましたので、【せっかくココまで来たのだから…】という訳で、バスで来た道を戻って別の池を巡ってみるコトに致しました。。。

 そうして、徒歩15〜20分程。“バス通り”に別れを告げて、ブナ林の中で見付けた池が…【個人的には、青池以上にオススメできる!】様な気がする画像Hの沸壺の池。水面のブルー度は、さすがに青池程ではナイかもしれませんが…奥十二湖駐車場から離れているせいか、観光客の数は本当に疎ら。画像Iの様なせせらぎも非常に心地良く、周囲をブナ林に囲まれたロケーションも最高で、神秘度も高いです〜♪

 そういう訳で、この沸壺の池にかなり興奮してしまったため、【バス通りに出ても、仕方ないなぁ…】と思い、暫くブナ林の中で森林浴を堪能するコトに致しました。時折、水の雰囲気を感じたら…そちらに足を向け、周辺を散策(画像Jの池の名称は不明)したりしながら、王池へ出て、ソコから画像Kの日暮の池を経由して、徒歩2〜30分かかったでしょうか。この頁で最初に取り上げました日本キャニオンの“展望所”に着きます。ちなみに、キャニオン展望所に行く場合は、前述した通り、八景の池側よりも、自分の様に王池側から登った方が遥かに楽ですよぉ〜♪

 さて、このキャニオン…こう呼ばれる位だから緑が少ないのかと思いきや、左記2枚の画像の通り、意外と多いです(コレには、ヤヤ興醒め)。個人的には、人工的に作り出されたモノではありますが、昨年、久々に訪れた足尾の松木渓谷方面の方が緑が少なく、憂いも含めた迫力みたいなモノが感じられます。ただ…こちらは画像の通り、アメリカの本家や足尾とは違い、【白い】のです。これは地質の問題なのかもしれませんが、白というと、どうしても…水にも弱い石灰岩やら崩れやすいモノをイメージしますので、意外と貴重な気がしましたが、いかがなモノでしょう?

 そうそ、この日本キャニオンですが…画像以上に、高さを感じます。【画像Mは、変な画像だなぁ…?】と思われた方もいらっしゃるかとは思いますが、この迫力を伝えたいがために、実は敢えてデジカメ下に向けて撮ってます(アイディア賞モノ)。ただ、コレだけをメインにして行くと、総面積は大したコトはないので、やっぱりガッカリするかもしれません。【十二湖を堪能した帰りに“チョコッと寄ってみる”のが1番良いのではないかな?】と思います。。。

 ちなみに、この後は…前述した末松旅館で軽く食事をした後、十二湖駅まで歩きました。下り道だったせいか、30分位で着きました(→結構、重要な情報かも)。ハイ。

N&O能代駅→(東能代駅)→上野駅

 五能線内では、下記画像Nの通り、線内で1番便利な能代でも途中下車致しました。実は、前日、青森の駅で…【どんな席でも構わないので、どうにか寝台で帰るコトはできませんか?】と頼み込んだら、幸いにも…下記画像Oの寝台特急・あけぼの号のゴロンとシートが1席だけ空いておりまして…。隣駅の東能代から席を確保したのですが、【列車が発車するまで3時間もあった】のです…(;^^)

 ちなみに、寝台列車の指定券が確保できたおかげで、心の中で危惧していた…【青森から都内までの各駅帰り】というコトはなくなったのですが…“ゴロンとシート”ってモノがどういう乗車券か、一応追記しておきましょうか。実は、この自分も…このときが初利用だったのですが、【B寝台】仕様から、JR浴衣、枕、毛布、スリッパがサービスされていないモノで、乗車券と特急券だけで寝台列車に乗車できるのです。料金的なコトは購入して、初めて知ったのですが…【安上がりの旅にはもってこい!】というヤツです。今回の旅は…前日の十和田のタクシー代が尾を引いており、最終的に残金1000円で帰って来たのですが、これってゴロンがなかったら…青森から都内まで各駅停車を利用しないと帰れなかったってコトですよね。確保できなかったらと思うと、本当にゾッとします…(;^^)



N能代駅@五能線



O寝台特急・あけぼの

 おっと、能代の話もしなければ…(×2)。寝台列車は夕食が出ないので、入浴と、夕食をココで済ませました。入浴は、米代川の河口に国民年金保養センターとその隣のスポーツセンターアリナスで温泉に浸かるコトができたので、前者の方に(共に、タクシーで最低1500円はかかる距離のため、徒歩はキツイ)。食事は、お店はソコソコあったのですが、駅出て左前方にある鮨屋さんで、【バスケ丼】というのが“GW限定で格安(確か、800円)”であったので、これを食しました。美味しかった〜♪

 しかし、バスケ丼というのを見て…能代出身の元・阪急のエースで、【アンダースローの大投手といえば、この人!】的な、現・中日監督の山田久志(他にもアンダースローの大投手は、秋山登杉浦忠足立光宏他おりますけどね)さえも翳む…【さすがは能代工業高校のお膝元…バスケの街!】という気がしたのですが、実は、このとき能代ではバスケの大会が開催されていたが故の大盤振る舞いだった様です(さらに、日本のバスケ界の数少ない顔?であり、能代工業出身の田臥勇太くんも前述したアリナスで宿泊しながらこの大会に出場していたいた?ってコトも、それに拍車を駆けていたのではないかと思われます)。

 ちなみに、東能代に出る際…能代始発の東能代行の1駅列車に乗車したのですが、この列車に乗車して来た高校生も凄かったです。自分よりも身体が一回り大きくて、この自分が見上げなければいけない位、背が高い人ばかりなんですよ。あんな経験、国内では初めてです…。【ウッソ〜】って感じでした…(;^^)

 最後に、余談を…能代は地酒が何種類かあります。自分は、“トンネル地下貯蔵”らしい喜久水を買って、列車内で飲んでみたのですが、感想としては…車内で飲むには丁度良い(やや甘め)、日本酒嫌いの方にウケそうな味という感じでした。。。

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